ドリッパー

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ドリッパーは、現在日本国内でもっとも認知度の高いハンドドリップ用の抽出器具です。
20世紀初頭にネルドリッパーの発展形として発明され、その使用方法の簡易さとコントロールのしやすさから大ヒット、世界中に広まっていきました。
コーヒーメーカーインスタントなど簡便な方式が支持を集めた世界大戦前後にはやや下火になりましたが、便利さよりも味や香りを求める人々の支持がついえることはなく、特に日本では戦後から現在に至るまで喫茶店におけるコーヒーの文化を支え続けています。

そして21世紀にはいり、「大量消費ではなく品質を重視する」「コーヒー豆それぞれの特徴を楽しむ」といういわゆる「サードウェーブ」の広がりに伴い、再び世界中で注目を集めはじめているようです。

構造

プラスチックや陶器、金属製など、様々な材質のドリッパーがあり、形状も各商品ごとに異なっています。
共通点としては、上部の入り口が広く、下部の出口に向かうにしたがって狭くなっていることと、圧力をかけずにお湯の流れに任せて抽出が行われること、そしてフィルター内にコーヒー粉をいれてお湯を注ぐため抽出と濾過が同時進行で行われることです(一部製品では濾過を止めてじっくり抽出を行えることを売りにしているものもあります)

ドリッパー本体は自立できる程度に硬度が高く、サーバーの上などに置いて使用することでネルよりも安定した抽出を行いやすくなっています。
基本的には、ペーパーフィルターをセットしてその中に挽いたコーヒー豆を入れ、上部からドリップポットなどでお湯を注いで抽出を行います。
本体に金属製の目の細かいメッシュが付いていて、ペーパーフィルターを使用しない製品もあります。
いずれも、お湯を注いだあとに抽出時間を取って任意のタイミングで濾過することができるプレス系や、火をつけたら抽出完了までほぼ自動で進むマキネッタサイフォンなどと違い、お湯の注ぎ方からタイミング、スピードまできめ細やかにコントロールせねばならず、忙しいときにはあまり向かない方式といえるかもしれません。
しかし、技術を磨くことによってコーヒー豆の持つ味や香りの中から望む部分だけをピックアップするように抽出することができるようになる程の自由度は、手間をかけるだけの価値があるとも言えるでしょう。

ドリッパーを使用したコーヒーの淹れ方

ペーパードリップに使用する道具
  1. ドリッパーをサーバーやカップの上に乗せる
  1. ペーパーフィルターをセットする
  1. 挽いたコーヒーを入れる
  1. 上部からお湯を注ぐ
  1. 必要量が落ちたらドリッパーをはずし、サーバーの場合はカップへ注ぐ

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特徴

「コーヒーを淹れる」と言われて、ほとんどの方が思い浮かべるのはおそらくこのドリッパーでしょう。
それほど国内での認知度は高く、映画やマンガなどでも「コーヒー」「喫茶店」のアイコンとして使用されています。
最大の特徴は、抽出技術によってコーヒーの味が大きく変わること。
コーヒーから抽出されてくる成分を、お湯の温度や注ぎ方、豆の焙煎度合い、挽き方などでコントロールしていくため、まったく同じ豆を使用しても淹れ方によっては全然違う味わいになってしまうことも十分ありえます。
そのため、ただ単においしいコーヒーを淹れたい、という動機を離れてひたすら研鑽を積んでいくディープなファンも多く、もはや一種の「道」としての風格すら漂います。

材質はもちろん形状も各メーカーによって異なっており、台形型と円錐型というメジャーな違いの他、底部の穴の大きさや数、リブの形状とサイズ、角度などに違いがあります。

それぞれが独自の理論に基づいた形状になっており、正しく使用することで淹れられるコーヒーの味わいの方向性が違っているとのこと。
例えば近年増えてきている金属フィルターのドリッパーは、ペーパーフィルターや布フィルター(ネル)がカットしてしまう油分を通すため、フレンチプレスなどのようにコクのある味わいになりやすいとのこと。
ただし、もちろんプレスとは違って抽出と濾過は同時進行になりますので、どの味わいを出すかはコントロールしやすくなっています。
各メーカーのHPをみると、基本的な使用方法や引き出せる香味の特徴などが解説されていますので、購入前に確認してみると参考になるかもしれません。
また、よく見られるプラスチック製のドリッパーの場合は価格もあまり高くはないため、一度いろいろなメーカーのものを購入してみて味や香りがどう変化するか、自分と相性の良いドリッパーはどれなのかを試してみるのも楽しいかも。
組み合わせごとに味や方向性が変化する、まさに無限の可能性を持っている抽出器といえるでしょう。

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