パーコレーター

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パーコレーターは、アウトドアなどでよく使用される直火にかけるタイプの抽出器です。
19世紀後半に発明され、その簡便さから開拓時代のアメリカで広く使用されました。
西部劇でもカウボーイが荒野でコーヒーを淹れるという演出の際に使っていることが多く、屋内で使用するというより屋外用のイメージが強い器具といえます。
現代でもその認識が強いためか、コーヒーの専門店などよりもアウトドア用品店などで見ることが多いようです。

構造

やかんや大きめのポットのような形状をした本体に、コーヒー粉を入れるバスケットがはいっています。

バスケットの底部には細かい穴があいており、中心を細いパイプが上下に貫きます。
パイプの下部にはお湯を吸い上げられる小さな穴、上部にはそれをシャワー状に噴出すことのできる構造がついていて、バスケットの粉全体に降りかかるようになっています。

火にかけると本体内のお湯が温まって水蒸気によって内圧が高まり、その圧力でお湯がパイプ内を上昇。
バスケットに降り注いだお湯はコーヒー粉を通過してバスケット底部の穴から下に落ち、また本体のお湯の中に戻ります。

お湯に戻ったコーヒーは、また順次パイプを通って吹き上がりコーヒー粉を通過して戻り、これを繰り返すことで段々と濃いコーヒーになっていきます。
パーコレーターは全体的に金属で構成されていますが、どれくらいの濃さまで抽出が進んでいるかを確かめるため、強化ガラス製ののぞき窓などがついているものが多いようです。

パーコレーターを使用したコーヒーの淹れ方

パーコレーターの各部品ごと分解図
  1. 本体に水を入れ、バスケットをセットする
  1. バスケット内に中挽き粗挽きコーヒー豆を入れる
  1. フタをして中火にかける。急ぐ場合には最初は強火でも良い
  1. 湯温が沸騰近くになってくると内圧が高まり、お湯の吹き上げが始まる。強火にしていた場合はここで火力を下げる
  1. しばらく待っていると吹き上がるお湯の色が段々コーヒーらしい色になってくる
  1. コーヒーの色が十分濃くなったら、パーコレーターを火から下ろす
  1. 吹き上がりが完全におさまるまで待ってからふたを開け、バスケットを取り出してコーヒーをカップへ注ぐ

特徴

一度抽出したコーヒー液をお湯へ戻し、何度も循環させてじわじわと成分をお湯に移していく構造が最大の特徴です。
かなり高温のお湯が抽出中ずっと粉の中を通り続けるため、苦味の少ない豆を浅煎り中煎りにし、粗挽きで使用することが一般的とされています。

水と粉をセットしたら火にかけておくだけで良いため、アウトドアなどできるだけ簡単にコーヒーを淹れたい場合に便利で、もっとも古いコーヒーメーカーの一種とも言えるでしょう。
ただ、パーコレーターがアウトドア用品扱いされるのはその利便性だけが理由ではありません。
抽出後のコーヒー液をお湯に戻して何度も循環させるということは、抽出が終わるまでコーヒー自体も過熱され続けるということです。
そのためどれほど火力を調整しても、できあがりは香り酸味の飛んだやや酸化した味わいになってしまいます。
また、コーヒー粉に降りかかるお湯は時間が経過するほど出来上がりのコーヒーに近付いていくため、粉を通過しても新たに成分を溶かしこむことが難しくなっていきます。
結果として、全体に味も色も薄い、いわゆる「アメリカン」な仕上がりになるのです。
つまりパーコレーターで淹れたコーヒーは、現代の日本人の感覚で言うと「薄いわりに苦いあまりおいしくないコーヒー」と感じられるものになりがちなのです。
これは確かに、自宅でじっくり味わうために淹れる、というよりも、キャンプなどでその雰囲気も込みで楽しむ方が向いている方式と言えるかもしれませんね。

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