コーヒー用語集 は行

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バーストクロップ

収穫から一年以上が経過し、次年度分が流通し始めてしまったコーヒー生豆。
慎重に保管しても香味成分が抜けてきているものが多く、基本的にニュークロップカレントクロップにくらべて劣化した状態と取られる。
そのため、大量に入荷したものの評判が悪くて残ってしまった豆や、ブレンドの比率の問題でなかなか減らない豆などを除いて、きちんと管理されている専門店やカフェでここまで置いておくことは通常はあまりない。
ただし、流通開始までに1年近くかかるインドの「モンスーン」などの例外もある。

パーコレーター

コーヒーを淹れる器具の一種で、水蒸気による圧力上昇を利用してお湯を吹き上げ、シャワー状にコーヒー粉に吹きかけることで抽出する方式をとる。
一度抽出されたコーヒーが吹き上がるお湯に戻り、何度もコーヒー粉の中を通ることで抽出が進むのが最大の特徴。
火にかけておく時間を調節することで、自分の好みに合わせてシームレスに濃さを選ぶことができる。
ただ、コーヒー自体を過熱し続けるため味や香りが劣化しやすく、火力が安定しない場所では味わいを調整すること自体がかなり難しいため、あまり一般的な器具とは言えない。
火にかけておくだけの手軽さと片付けの簡単さから、現在では主にアウトドアで使用されることが多い。

パーチメント

コーヒーチェリーのなかでコーヒー豆を包む構造の一つ。内果皮。
生豆シルバースキンの外側を包んでおり、さらに外側にはミシュレージ(粘膜層)がある。
コーヒーチェリーの処理のうち「ウォッシュト」では、このパーチメントを残した状態で数日間乾燥させる工程がある。
これによってドライ(ナチュラル)よりもすっきりとした繊細な味わいに仕上がるとされている。

焙煎

生豆を煎り、コーヒーとして飲めるようにすること。
ローストとも言う。
生豆に含まれている成分はそのままコーヒーにしてしまうと酸味渋味が際立ちすぎておいしくない。
また、生豆の持つ独特の香りがえぐみや生臭さとなって抽出されてしまう。
焙煎することでそれらの香味を消去・調整し、おいしく飲むことが可能になる。
焙煎の目的は大きく分けて「水分を飛ばすこと」「豆の成分を熱で変質させること」の二つで、特に後者の段階をどこまで進めるかで8つの焙煎度合いに分類されている。
通常は焙煎されたあとの豆を購入してくるのが一般的だが、近年は生豆を購入し自分の好みに合わせて焙煎する「自家焙煎」を楽しむ人も増えてきている。

焙煎器

生豆を焙煎するための器具。
自動式と手動式のものがある。
自動式は主に「直火式」「半直火式」「熱風式」に分類され、それぞれコーヒー豆に熱を伝える方法が異なっている。
手動式の場合は基本的に熱源の上で豆の入った容器を振りながら熱を加える方式で、「直火式」と「半直火式」のいずれかになっている。
市販されている焙煎器は、家庭用でも安価なものからかなり高価なものまで機能も材質も形状も様々あり、さらに凝っていくと焙煎器を自作する人も。
こだわり始めるとそうとう奥が深い世界といえるだろう。

焙煎度合

焙煎の進行度のこと。
コーヒー豆は、焙煎器で加熱されることで生豆からコーヒーとして飲むことのできる状態へと変化していくが、その時どの時点で加熱をやめるかによって味や香りが大きく変わってくる。
大きな区分としては「浅煎り」「中煎り」「深煎り」の三段階、一般的には浅い方から「ライトロースト」「シナモンロースト」「ミディアムロースト」「ハイロースト」「シティロースト」「フルシティロースト」「フレンチロースト」「イタリアンロースト」の八段階に分類される。
コーヒー豆に含まれる成分は品種によって様々なので、どの焙煎度合が適正かは豆によって変わるが、基本的には焙煎が浅いほど酸味が強く、深いほど苦味が強くなっていく。
豆の品種、抽出方法と並んで、コーヒーの味や香りを決める重要な要素といえるだろう。

ハイブリッド

アラビカ種カネフォラ種の交配によって生まれた品種。
本来この二種は染色体数が違うため交配することはできないが、東ティモールで同時に植えられていたカネフォラ種の中に偶然倍数体が含まれていたため交配が起こった。
アラビカ種より耐病性が強くカネフォラ種より味や香りが優れていたため研究が進められ、特にサビ病が世界的に猛威を振るった20世紀後半以降はハイブリッド系品種が多数植えられていった。
ただ、どうしてもアラビカ種に比べて香味が劣るものが多いため、近年では評価が分かれる所となっている。

ハイロースト

焙煎度合いの一つ。
浅いほうから四番目に該当し、中煎りの中ではまだ浅い方。
やや苦味は感じるがまだ酸味のほうが強く、香りもフレッシュなものが多い。
浅煎りほどではないにせよ水分の飛ばし方が重要で、失敗しているとまだまだ生臭さが残ってしまう可能性がある。

麦芽コーヒー

代替コーヒーの一種。
黒煎りした麦芽を煮出すか、粉末状にして他の飲料に加えることでコーヒーのような風味を得る。
麦芽自体が自身のデンプンを糖化する酵素を持っており、発芽後のどの段階で生成したかにもよるがほんのりとした(もしくは強烈な)甘みを持っている。
日本においては豆乳に混ぜた「麦芽豆乳」が良く知られており、各飲料メーカーからいろいろな商品が発売されている。

ハゼ

焙煎中、コーヒー豆が音を立てて破裂すること。
水分が抜けてコーヒー豆が膨張し、色が変わり始めた頃に発生する「1ハゼ」と、焙煎が進行してから起こる「2ハゼ」がある。
1ハゼはコーヒー豆内部の細胞壁が硬化し、閉じ込められた水蒸気の圧力で豆がはじけることで起こり、バチバチとかなり大きな音がする。
2ハゼは熱で細胞壁がもろくなりクラックが入るように変形することが原因で、ピチピチという小さな音しかしないため、散発的に起こると焙煎の音で聞き逃す恐れがある。
それぞれ、焙煎の進行度合いによって起こるタイミングが決まっているため、1ハゼは浅煎りの、2ハゼは中煎り後半から深煎りの目安となる。
ハゼが起こるタイミングやばらつき方から焙煎が順調に進んでいるかを判断することができるが、全ての豆が同じようにハゼるわけではなく、中にはまったくハゼの起こらない豆もあるため、これだけを目安に焙煎を行うと焙煎度合いがずれる可能性も高いため注意が必要。

発酵豆

欠点豆の一種。
生豆になった後、焙煎までの間に何らかの理由で発酵してしまったコーヒー豆。
一粒混ざるだけでも、コーヒーの味わいが大幅に劣化してしまう。
生豆の状態でも色味がおかしく、焙煎すると白っぽく見えるため、焙煎の前後で色を目安に取り除かれる。

ハリオ

コーヒー器具メーカーのひとつ。
もともと玻璃、つまりガラス製品を扱う会社で、最初はガラスシャーレなどの理科実験用品を扱っていた。
1957年にコーヒーサイフォンを作ってコーヒー業界へ進出、各種コーヒー用品を手がけるようになる。
プラスチックなどガラス以外の商品も発売している。

バリスタ

エスプレッソを中心に、コーヒーの抽出に精通した人。
名乗るために絶対必要な資格などはなく、自称するだけなら誰が名乗っていても問題はない。
しかし、近年は一般的にも認知度が高くなってきているため、技術が伴わないのに名乗っているとかえって信用を損なう可能性もある。
日本のコーヒー協会や各種関連企業などが、研修や認定試験などを行っているので、それらのいずれかを履修するのが望ましい。

パルプト・ナチュラル

コーヒーチェリーを処理する方式の一つ。
外皮と果肉をはずした後、ミシュレージ(粘膜質)を残したまま天日や乾燥機にかけて乾かす工程がある。

ハンドドリップ

コーヒーメーカーなどを使用せず、ドリッパーを使用して人の手でドリップを行うこと。
近年勢いを増している「サードウェーブ」の特徴のひとつ。
コーヒーごとの特性を引き出す微調整が可能になるため、丁寧な抽出の代名詞となっている。

半直火式焙煎器

焙煎器の方式の一つで、バーナーなどで炙りつつもコーヒー豆に直接火が当たらないものを指す。
機械式の焙煎器の場合、直火式と同じような構造をしているが、ドラムに穴がないのが大きな違いで、同時に高温に熱した空気を取り入れることで熱風式の特徴も取り入れている。
火が直接コーヒー豆に当たらないため部分的に焦げたりしづらく、全体に均一な仕上がりになりやすい。
ただし、あまりにも均一な仕上がりになることを「特徴がない」と捉えて敬遠するプロもいるとのこと。
家庭用の場合、底面が網状ではなく板状になっているものが該当し、もっとも手軽なフライパン焙煎なども形式としては半直火式に分類される。

ハンドピック

生豆や焙煎後の豆を目で見てチェックし、欠点豆を取り除くこと。
コーヒー豆は生産から生豆になるまでの過程でなんどもチェックされ、高品質なものほどしっかりと選別されているが、それでも流通してきた生豆の状態で何割か、取り除かねばならない欠点豆が混じっている。
これらはそのままにしておくと香味に悪影響を及ぼすため、購入後に取り除く必要がある。
チェックするポイントは一般的には色(未熟豆、発酵豆など)、形(欠損豆虫食い豆など)、サイズ(不揃い、ピーベリーなど)とされており、特に色のおかしい豆をそのまま使用すると数粒でもコーヒー全体が台無しになりかねない。
プロのロースターは焙煎後の一回だけでまとめてハンドピックする人も多いが、アマチュア、特になれていない初心者のうちは何度もチェックした方が無難といえる。
ただし、豆の種類によっては完全に除ききると特徴まで無くなってしまうものもあり、必ずしも完璧を目指す必要はないといわれている。

ピーベリー

欠点豆の一種。
本来コーヒーチェリー内で二粒育つはずの種子が、何らかの理由で一粒しか育たなかったために、ラグビーボールのような形状をしている。
通常のコーヒー豆に比べて内部まで火を通すのに時間がかかるため、生焼けになってしまう確率が非常に高い。
ただし、ピーベリーだけで焙煎できれば中まで火が通るまで熱することができ、通常の豆と同じようにおいしく飲むことができる。
近年ではこのピーベリーだけを集めた商品も販売されるようになっており、その希少性から高値で取引されている。

挽き目

挽いた豆の粒度のこと。
「挽き目が粗い」「挽き目が細かい」と表現する。
具体的に分類するのであれば、通り抜けるメッシュの番手(50メッシュ、90メッシュなど)で示すが、現在のところ広く使用されている一般的な基準はなく、粗挽き細挽きがどれくらいのメッシュのものを指すかはショップや業者ごとに異なっていることが多い。
基本的には、挽き目が粗いほど抽出に時間がかかり、細かいほど短時間で一気に成分が抽出される。
また一回の抽出に使う粉の挽き目が揃っていないと、粉の粒ごとに抽出の具合が異なってしまい、味や香りが乏しくなるか、逆に過抽出で雑味の混じったコーヒーになる可能性があるため注意が必要とされる。

微粉

コーヒー豆を挽いて粉にした際、平均粒度よりも著しく細かくなってしまったもの。
ミルの歯のタイプや挽くときの力のむらによって発生する。
コーヒー粉は細かいほど成分の抽出が早いため、微粉が混ざっている粉を通常通りに淹れると部分的に過抽出になってしまう。
カット式などの微粉が発生しづらいタイプのミルを使用するか、専用のメッシュを使用して微粉を取り除くことで問題を解決することができる。

ファーストウェーブ

19世紀に起こった、コーヒー史上最初の大流行を指す。
それまでコーヒーは(特にヨーロッパ諸国では)紅茶に比べて一般的ではなく、味や香り、そして品位も劣る飲み物とされていた。
また価格も高く、日常的に飲める嗜好品ではなかった。
しかし、産業革命以降発明された様々な器具や流通の改良、コストの低下により、品質が上がり価格が下がったことから、消費量が一気に増加。
瞬く間に世界中で飲まれるメジャーな飲み物となった。
この「安価」「日常的」をキーワードとする一連の流行の流れをファーストウェーブといい、インスタントコーヒーを始めとする簡便なコーヒー飲料が広まっていった第二次世界大戦後まで続いた。

フィルター

濾し器のこと。
コーヒー粉をコーヒー液と分離するためのパーツを指し、器具によってペーパーフィルター、金属フィルター、布フィルターなど様々な種類のものがある。
使用するフィルターの性質によって通過する成分や程度も変化するため、好みに合わせて選択する必要がある。
日本国内においてはペーパードリッパー(紙フィルター)とネル(布フィルター)が長らく一般的だったが、近年ではサードウェーブの影響もあり豆や嗜好にあわせて色々な器具とフィルターが使用されるようになってきている。

フェアトレード

生産者と正当な価格で取引することでその生活を保護し自立を促す、商取引の仕組み。
コーヒー生産国は貧困国が多く、貿易上の立場の弱さから消費国に都合の良い貿易が慣習的に続いているケースが多い。
また、コーヒーの買い取り価格は需要量と供給量で国際的に定められてしまうため、大生産地が豊作だった年などは生産者の生活に支障をきたすほど価格が下がることもある。
フェアトレード団体は、この国際相場がどのように変動したとしても、生産者の生活が十分守られる価格を保障して買取を行い、同時に自立するための知識や設備導入のための資金を提供する。
もともと欧米諸国で20世紀中頃から続けられている活動だが、近年は日本を含めたアジアの先進国からもNPOや企業が参加している。

フォームドミルク

スチームなどで泡立てられた牛乳。
大抵の場合は同時に温められており、ドリップコーヒーやエスプレッソと組み合わせることで多彩なコーヒードリンクを作り出すことができる。
エスプレッソマシンの機能の一つを使用して作られることが多いが、専用の泡だて器(ミルクフォーマー)で作ることもできる。

深煎り

平均より深い焙煎度合いを示し、一般的には「フレンチロースト」「イタリアンロースト」を指す。
酸味があまり残らず、刺激的な苦味を楽しむことができる。
エスプレッソ用やアイスコーヒー 用と捉えられることもあるが、豆の種類によって通常のドリッパーやプレスでもおいしく淹れることができるとされる。
一般的にイメージされるコーヒー豆に比べてかなり黒っぽく、が表面に浮いてつやつやとしているのが特徴。
細胞壁の崩壊が始まっているため、お湯をかけても中煎りなどに比べてあまり膨らんでこない。

ブラジル

南アメリカ大陸に位置する共和制国家。
100年以上にわたってコーヒー生産量世界一をキープし続けている、コーヒー業界にとって非常に重要な国のひとつ。
19世紀末に日本からコーヒー栽培のための移民が多数渡っており、その見返りとして無償で譲り受けたコーヒー豆を使用して、現存する最古のカフェ「カフェー・パウリスタ」が設立されたという、日本のカフェの歴史においても重要な意味をもっている。
生産されるコーヒー豆は基本的にマイルドですっきりとした飲み口であり、日本人にとってはもっとも口に馴染んだコーヒーの味といえる。

ブラック・アイボリー

タイで生産される、象の排泄物から収穫されるコーヒー豆のブランド。
飼育されている象にコーヒーチェリーを与え、未消化で排出されるパーチメントコーヒーを洗浄・精製することでコーヒー豆とする。
インドネシアコピ・ルアクフィリピンカペ・アラミドの象版。
ただし、もともと観光業などだけでは養い切れなくなりつつある象の飼育費用確保のための事業であるため、野生ではなく飼育下にある象が利用されている点が大きく異なる。
また、体内で発酵や雑味成分の分解が起こる点は共通しているものの、雑食性のジャコウネコと草食性の象では消化器内の環境が異なり、付与される香りなどについてより好ましい影響があるとされている。
栄養面の配慮からコーヒーチェリーはおやつ程度にしか与えられず、象の頭数も限られるため、生産量はコピ・ルアクなどに比べてもかなり少ない。
象の飼育維持費も価格に反映されるため、コーヒー一杯が日本円換算で5000円以上になることも。
今のところ流通は限られており、海外の限られたバイヤーを通すか現地へ行かなければ購入することができず、日本では時々インターネットショップで少量出品されるのみとなっている。

ブラックコーヒー

ミルクや砂糖を加えていないコーヒー。
味や香りがしっかりと感じられる、基本的な飲み方とされる。
また、この状態であればカロリーもかなり低いため、ダイエット中にはブラックで飲む、という人も少なくない。
ただし、豆の質が悪い、挽き方に問題がある、抽出に失敗しているなどの理由で容易に飲みづらくもなるため、おいしくないと感じたら我慢せずにミルクなどで味を調えたほうがよいことも。
自分でドリップを練習する際には、まずは「ブラックでもおいしく飲める」を目標として調整していくと上達しやすいといえる。

ブルーマウンテン

ジャマイカのブルーマウンテン地区で栽培されたコーヒー豆。
世界的にも評価が高く、スペシャルティコーヒーがネットオークションなどで売買されるようになる前から、もっとも高価なコーヒーとして知られていた。
その評価の高さから日本でさかんに紹介されもてはやされた結果、現在ではその収穫量のほとんどが日本向けに輸出されている。
スクリーンサイズと欠点豆によって格付けされており、No.1~3とその下のセレクトの四段階に分類される。

フルサービス式

店員が座席まで注文を取りにきたり商品を運んできてくれる方式。
客は入店後すぐに座席に通され、歩き回ることなく飲食をすることができる。
1980年代まではごく当たり前の方式とされていたが、よりライフスタイルに合ったセルフサービス式に顧客を奪われ、旧来の喫茶店の衰退の一因となってしまった。
しかし、現在もゆっくり過ごしたい一定の客層がついているため、完全になくなってしまう気配はない。

フルシティロースト

焙煎度合いの一つ。
深いほうから数えて三番目で、中煎りに分類されてはいるもののやや深煎りに寄る。
酸味はかすかになり、苦味がくっきりとしてくる。
カラメルのような甘いニュアンスが混じるため、ミルクとの相性が良いとされている。
ドリップやプレスで淹れることで、豆ごとにかなり性格が異なって感じられるため、深めの焙煎が好きな人の中でも人気のあるローストである。

ブルボン

エチオピアからイエメンに持ち込まれ、後にアフリカから中東、ブラジルで栽培・改良されていった源流種のひとつ。
もともと生産性があまり高くなかったため、長い年月をかけて何度も品種改良を繰り返しており、完全な原種はほとんど残っていないとされる。
ただ近年、その品質の良さが見直されつつあり、原種(かそれに近いとされる種)を探し出して栽培しようという動きがある。
ここから派生していった品種をまとめて「ブルボン系」と呼ぶ。

ブレード式ミル

電動ミルの一種で、回転するプロペラがコーヒー豆を粉砕する機構のミル。
安価で小型な手軽に使用できるものが多いが、容器内の豆を刃に当たったものから無差別に粉砕すうえ上細かくなった豆が選り分けられる機構がないことから、挽き目の調整が稼動している時間でしかできずばらつきも多くなってしまう。
微粉も他の方式のミルにくらべて多いため雑味が出やすく、専用のふるいなどを用意するのでなければあまり推奨できない方式とされることが多い。

フレーバーホイール

コーヒーをテイスティングするときに使用する、味や香りの分類表。
中心から外側に向かうほど細かくなるように作られており、香味がぼんやりとしか感じられなくても「どちらかといえばこっち」と選んでいくことで細かく分析することができるようになっている。
SCAA発行の公的なもののほかに研究者などが独自に作成したものも様々あり、自分にあったフレーバーホイールを使用することで客観的な記録をつける助けとすることができる。

フレンチプレス

コーヒーを淹れるための器具の一種で、お湯につけて一定時間抽出したコーヒーを金属フィルターを押し下げることで濾す方式のもの。
元々日本では紅茶を淹れるための器具として販売されてきたが、近年では喫茶店などでコーヒー用としても見ることが多くなってきた。
ペーパーフィルターなどと違い、金属フィルターの目を通り抜けてしまう微粉やオイルなども一緒にカップに入るため、ドリッパーで淹れたものに比べて濁った外見の、荒々しい味わいのコーヒーになる。
コーヒー豆自体がもつ味と香りの特徴が余すところなく楽しめるため、ドリッパーよりフレンチプレスのほうを好む人も増えてきている。
また、豆ごとの味を比べるのに使用しているプロも少なくないとのこと。
挽いた粉にお湯を注いで一定時間待つだけなので、ドリッパー式に比べて手間がかからず一定の味わいに淹れることが可能で、忙しい人におすすめの方式といえる。

フレンチロースト

焙煎度合いの一種。
深いほうから数えて二番目に該当し、一般的な「深煎り豆」の状態といえる。
かなり黒っぽい外見で見た目通り苦味が強く、逆に酸味はほとんど感じられない。
苦味や渋みのなかに深いコクと甘みが感じられるものが多く、ブラックコーヒーはもちろんエスプレッソやアイスコーヒーに適している。
ミルクとの相性もいいため、カフェオレカフェラテにするとおいしい。
ただし、フレッシュな香りや爽やかな酸味を特徴とする豆をここまで深煎りにしてしまうと長所がつぶれてしまうため、豆の選び方には注意を要する。

ブレンド

複数種類のコーヒー豆を混ぜ合わせること。
または、混ぜ合わせたコーヒー豆を使用して淹れたコーヒー。
豆同士が短所を補い合うように配合することが多く、単独で使用するよりも香味が良くなる。
カフェにおいては、その店が目指す味わいを端的に表すメニューとされる。

変形豆

欠点豆の一種。
成長段階で何らかの理由で変形してしまったコーヒー豆。
ひしゃげているものやカットスイカのようになってしまっているもの、貝殻のように内部が空洞になってしまっているものなど、色々な形状のものがある。
焙煎のむらになりやすい他、隙間にカビが生えてしまうこともあるため、形状を目安に取り除かれる。

ホイップクリーム

乳脂肪分を分離したクリームを泡立てたもの。
動物性と植物性がある。
コーヒーのトッピングに使用する場合、脂肪分が高すぎない方が相性が良い。

貿易

国と国との間での商品の売買。
コーヒーに関しては植民地支配とセットになっていたことが多く、何世紀ものあいだ不平等な貿易が続けられてきた。
また、コーヒー貿易が盛んになった17世紀ころは船による貿易が中心で、長旅の間に独特の香味を獲得するコーヒー豆もあった。

ポルタフィルター

エスプレッソマシンの一部で、コーヒー粉を入れるバスケット状のパーツ。
コーヒー粉はポルタフィルター内に押し固めて入れられ、ここを高圧のお湯が通過することでエスプレッソが抽出される。
取り外しが可能で、使用した粉を排出する際にがんがんと叩きつけられることも多いため、かなり丈夫な造りになっていることが多い。

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