アラビカ種とカネフォラ種(ロブスタ種)|コーヒーの品種1

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アラビカ種とカネフォラ種(ロブスタ種)

コーヒーノキは、リンドウ目アカネ科コーヒーノキ(コフィア)属に属する植物の総称です。
現在確認されている品種は100種類を超えており、現在も野生品種間のランダムな交配や改良研究の成果として新種が生まれ続けています。
しかし、これらは元をたどっていくと5~8種程度の原種に行き当たり、そこから枝分かれするように変化していったと考えられています。
この原種のうち、現在世界中で栽培されているのが「アラビカ種」と「カネフォラ種(ロブスタ種)」です。

アラビカ種はアフリカ大陸のエチオピア原産と言われており、はじめて商業的に生産されたのがイエメンであったことからその名が付きました。
主に高地での栽培に適しており、生産量はやや少なくなるものが多いのですがその分香味に優れているとされ、主に品種、産地、国ごとに分けられレギュラーコーヒー用コーヒー豆として流通しています。
サビ病という糸状菌による致命的な病害に弱く、特に20世紀にはサビ病の大流行で世界のコーヒー生産量が激減するという事件が何度か起こりました。
そのため、一部の産地では病気に強いロブスタ種への植え替えが進んでいましたが、より高品質なコーヒーへのニーズの増加や品質による価格の差の増大、いわゆるサードウェーブの拡大により、近年では再度アラビカ種に切り替える国や農園も増えてきています。
現在はブラジル産が全世界生産量の30~40%を占めていますが、小規模生産国での生産量も伸びてきており、偏りが是正されつつあります。

カネフォラ種はアフリカ大陸のコンゴ原産の品種で、生産されているカネフォラ種のうちほぼ全量がロブスタという品種であることから「ロブスタ種」と呼ばれることもあり、特に日本ではこちらの方が通りが良いようです。
アラビカ種に比べて低地での栽培に適しており、病気、特にサビ病に強いため、アラビカ種が病害で壊滅的な被害を被った際に代替品種として世界中に広まりました。
ただ、カフェインクロロゲン酸といった「苦味」「渋味」の元となる成分が多く、香味成分のバランス的にもアラビカ種に劣るとされ、現在は主にインスタントコーヒーコーヒー原料用、もしくは生産国での自家消費用として低価格帯で取引されています。
近年はより高値で取引されているアラビカ種への植え替えが世界的に進んでいますが、コーヒー産業全体の需要を見るとカネフォラ種も無くてはならない種であり、特に日本ではコーヒー飲料が広く飲まれているため、知らないうちにその恩恵を受けている種といえるでしょう。
現在はベトナム産が全世界生産量の40%以上となっており、ブラジル産とインドネシア産も含めると、実に全体の3/4を占めています。

このまま小規模生産国でのカネフォラ種からアラビカ種への切り替えが進めば、さらにこの割合は増大していくと考えられます。

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