アラビカ種の3系統|コーヒーの品種3

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アラビカ種の3系統

アラビカ種は容易に品種交配が進み、かつ品種ごとに味や香りの特徴が大きく異なることから、品種ごとの区別や系統分けなどの研究が進んでいます。
現在は100を越える品種が確認されており、現在も着々と拡大中ですが、アラビカ種の品種は主に「エアルーム(原種)系」「ブルボン系」「ティピカ系」の3つの系統に分類されるといわれています。

エアルーム(原種)系は、アラビカ種のうち他の品種と交配せずに栽培されているもので、野生から発見されたままの状態を保っている品種です。
近年急速に有名になったゲイシャもここに含まれ、他にはルメスダン、ジンマなどがあります。
ブルボン、ティピカも原種の状態であればある意味エアルーム系と呼ぶこともできますが、他系統の基となっていることと交配が進みすぎて原種がかなり珍しくなっていることから、別系統とされるのが一般的です。

ブルボン系は、イエメンからマダガスカル島(ブルボン島)へ移植されたアラビカ種ブルボンを祖とする品種群を指します。
ブルボンの原種はその後ブラジルへ渡り、幾多の品種改良を経てのブラジルコーヒーの基礎となりました。
ブルボンの原種は樹体がアラビカ種の中でもやや弱く、天候などの条件に左右されたり枯れてしまったりしやすい上に毎年は収穫できません。
そのため、生産性を上げるための品種改良が進んでいます。
有名なものとしては、カトゥーラ(カツーラ)、モカ、アカイアなどが含まれ、またSL28、SL34、K7などまさに品種改良種といった名称のものも多いようです。
(ただし、これらは近年の科学的交配実験で生まれたわけではなく、20世紀前半に各地の研究所によって発見された自然交配新種がほとんどです)

ティピカ系は、イエメンから東南アジアやフランス領ギアナへ広まっていったアラビカ種ティピカを祖とする品種群を指します。
ティピカは大生産国の一つであるコロンビアの基礎となった品種でもあります。
ティピカ原種は主にサビ病にものすごく弱く、耐病性を高めるための品種改良が進んでいます。
ジャバ、コナ、スマトラなど日本でも馴染みのある品種が多く、マラゴジペブルーマウンテンなど優秀な品種も含まれています。

なお、ブルボンとティピカについては「どちらかがアラビカ種の祖(つまりもう一方は変種の一つ)」とする議論が根強く、ブルボン派とティピカ派でしばしば論争になっているようですが、現在進んでいる研究では

  • もともとエチオピア周辺のアラビカ種コーヒーノキは様々な遺伝的特徴を含む品種群であり、どの特徴を持つ木が祖先であるかなどの区分けはできない
  • 発見当時、「たまたま」イエメンへ持ち出されたいくつかのコーヒーノキは、エチオピアでのランダムな交配から隔離されたため特徴がある程度固定された
  • それらから繁殖したコーヒーノキが、いくつかの特徴でブルボンとティピカの二種類に分類された

という説が有力となっており、二系統のうちどちらがより起源種に近いか、という議論に意味は無いとされているようです。

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