インド

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インドの基本データ
国名 インド
首都 デリー
人口 約13億1000万人
国土面積 328.8万k㎡
地域 アジア
栽培されている主な種 ロブスタ種
主な処理方法 ドライ(ナチュラル)、モンスーン
生産量 31.8万t
主な生産地 カルナータカ、ケララ
代表的な商品名 モンスーン

インドは南アジアに位置する連邦共和制国家です。
人口は世界第二位の約13億人。
国土面積328万k㎡の中に、多種多様な民族や文化がひしめいています。
かつてイギリス領だった名残もあり、どちらかというと紅茶の方が有名なイメージがありますが、実はコーヒー文化も歴史が深く、17世紀にイスラムの僧侶によって密輸された数粒の種から始まるコーヒーノキの栽培は、アフリカ大陸以外では世界でもっとも古い歴史を持つといわれています。

コーヒーの栽培は主に赤道に近い南部で行われていますが、近年ではバングラディッシュをはさんだ北東部でも試みられているようです。
伝染病で壊滅的な被害を受けたことなどから、病気に強いロブスタ種が全生産量の7割近くを占めていますが、上質なアラビカ種の栽培も行っています。
国内では約100万人もの人々がコーヒー産業に関わっているとされますが、人口13億人を越えるインドではあまり多いほうとは言えませんね。
農園はほとんどが小規模農家で、強烈な日差しからコーヒーノキを守るためにスパイスやフルーツなど色々な種類の木がシェードツリーとして活用されています。

コーヒーチェリー処理方法としてはドライ(ナチュラル)やウォッシュトが多いようですが、それ以外にインド独特の方式として「モンスーン」というものがあります。
大航海時代、帆船で貿易を行っていた頃はインドからイギリスに荷を運ぶのには数ヶ月もの時間がかかっていました。
その間に積荷のコーヒーの生豆は熱い潮風に当たり続け、もとの緑色から黄金色に変化し独特の風味を持つようになったそうです。

やがて蒸気船が発明されて行き来にかかる期間が大幅に短縮されると、生豆も何ヶ月も潮風にさらされることも無くなり、黄金色に変化した豆も見られなくなりました。
しかし、イギリス国内でその独特の風味を懐かしむ人々の声が上がるようになり、当時の船室の状況を再現して豆に変化を促すモンスーン方式の処理が発明されたのです。
モンスーン方式では、まずドライ方式で脱殻された生豆を麻袋につめ、風通しの良い所へ並べていきます。
列の間は風が通ることができるように間隔を広く取り、風向きを考慮して並べられます。
時々袋の中を入れ替えたりしながら半年間、季節風(モンスーン)に当て続けると完成です。
この処理の仕方を経たコーヒー豆は、同じモンスーンの名を商品名に掲げて販売されているようです。

インド国内でのコーヒーの淹れ方は独特で、ドリップしたコーヒーにたっぷりのミルクと砂糖を加え、二つのカップの間を何度もうつしかえて泡立てます。
カップからカップへと移る間に温度が下がり、たっぷりの空気を含んだコーヒーはまろやかで甘い味わいになるそうです。
日本で高級な豆を使用して真似をしてみても、正直な所あまりおいしいとは感じない(むしろコーヒーのおいしさを殺してしまうような気がする)のですが、インドの高い気温と乾燥や湿気に疲れた体で飲むと、染み渡るようなおいしさに感じるとのこと。
インドへ旅行する際には、一度試してみてはいかがでしょうか。

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