イブリック

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イブリックは、コーヒー飲用の歴史的に最も古い器具です。
コーヒーがヨーロッパ中で大流行し、人々が沈殿しきらなかったコーヒー豆も取り除きたいと思い立って布での濾過を始めるまで、「鍋で煮る」というのがコーヒーの一般的な淹れ方でした。
今でも一部の地域ではイブリックを使用した方式がコーヒーの正式な作法とされており、婚礼に関するパーティなどで振舞われることもあります。

構造

上部にやや長めの鍋で、取っ手がついています。
現代ではホーローや銅、真鍮製のものがよく使用されているようです。

構造と呼べるほどの構造はなく、沸騰させたときに上がってきた泡がこぼれなければ家にある普通の鍋でも代用できます。
(ただし揚げ物用などを使用すると臭いが移ってしまうため、鍋の用途は選んだほうがいいかもしれません)
コーヒーに関連する全てについて言えることですが、鉄鍋などはわずかに溶出する鉄分がコーヒーの抽出に悪影響を及ぼすため避けたほうがいいでしょう。

イブリックを使用したコーヒーの淹れ方

イブリックの各部解説
  1. イブリックでお湯を沸かす
  1. 沸騰したら一度火からおろし、挽いたコーヒー豆を投入する
  1. しっかり攪拌して浮いているコーヒー粉もお湯に浸るようにする
  1. 弱火にかけて、混ぜながら温める。この時は沸騰させてはいけない
  1. 泡立ってきたらいったん火からおろす
  1. 1~2分経ったら再度火にかけ、また泡立ってくるまで温める。沸騰させないように気をつける。
  1. 数回繰り返す
  1. 上部の泡を崩さないように気をつけながら、カップへ注ぐ
  1. 少し待って、カップの中の微粉が沈殿してから飲む

特徴

時間をかけて何度も煮る(しかも極細挽きの粉を使用することが多い)、という、他の方式に慣れた目で見るとちょっと不思議な手順を踏みますが、歴史的にはこれが「コーヒーの本来の淹れ方」ということになります。
通常の抽出方法では出せない成分までがしっかりと煮出されるため、かなり厚みのある味わいに仕上がります。
コーヒーの発祥地エチオピアでは、このイブリック(ジェベナともいう)を使用して、目の前で焙煎からスタートするという伝統的なパーティがあるとのこと。
中までしっかり火を通すためか真っ黒になる程の深煎りまで煎り切り、すり鉢で細かくすりつぶし、上記の方法で煮出します。
しかも一度で終わらず、三回煮出して味わいの変化も楽しむとのこと。
どんな味わいになるものか想像もできませんが、一回試してみると「コーヒーとはこういうもの」という固定概念から解放されるかもしれません。

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