コーヒー用語集 た行

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大航海時代

15世紀~17世紀の、ヨーロッパ諸国による世界進出がもっとも盛んだった時代を指す。
当時は各国とも新しい領土を求めて競って巨大な船による航海を繰り返していた。

耐病性

病気に対しての抵抗力。
特にサビ病というコーヒーノキにとって致命的な伝染病が流行すると、産業全体に対する大ダメージになりかねないため、これに対する耐病性が高い品種がもてはやされてきた。
特に19世紀末の大流行の際には多くの地域で壊滅的な被害があり、耐病性の低いアラビカ種から比較的病気に強いロブスタ種への植え替えが行われ、これによって消えてしまった品種もあった。

代替コーヒー

コーヒー豆を使用せずに、コーヒーと似た味わいを楽しむ飲み物。
コーヒーの飲用を規制する法律ができたり、戦争でコーヒー豆が手に入らなくなったときに、各国で開発された。
現在ではカフェインなどコーヒーの持つ成分を避けながらコーヒーを飲んだ気分になるためのドリンクとして、主にカフェインを避けなければならない妊婦などに利用される。
タンポポの根やチコリ、麦芽を使用した製品が有名。

ダブル焙煎

焙煎の途中で一旦コーヒー豆を火からはずし、冷ました後に再度焙煎を行うこと。
水分が抜けきってしまう前に焙煎が進むことを防止し、生焼け煎りむらが起こりづらくなる効果がある。
しかし、全体として焙煎にかかる時間が長くなるため、揮発性の成分が抜けていきやすくなる恐れもあるため、注意が必要。
慎重に焙煎度合いを見極めながら進めるために、一度だけでなく何度も火からおろす方式も存在する。

脱殻

作物の殻を取り外して、中身を取り出すこと。
「だっこく」ではなく「だっかく」と読む(字も違う)。
コーヒーの場合、狭義にはパーチメントをはずすことを指し、広義には果肉を除去する生産処理全般を指す。
脱殻の方法やそれにかける期間によって、コーヒー豆の持つ味わいが大きく変化するため、非常に重要な作業といえる。

タンパー

エスプレッソマシンを使用する際、コーヒー粉を押し固める専用の器具。
ポルタフィルターに入れたコーヒーは、しっかり押し固めてからセットすることでおいしいエスプレッソを抽出できるようになるが、このときに不均一に固めてしまうと密度の低いところだけをお湯が通ってしまったり、粉の塊が崩壊して上手に抽出ができなくなってしまう。
表面がなだらかで均一に力をかけられるタンパーを使用すると、押し固める際に力が偏ることがなく、こうした失敗を回避することができる。
金属製の丸みを帯びた製品が一般的で、エスプレッソマシンメーカー純正以外のものもあるが、あまり形状やサイズが合わないものを使用すると結局粉の密度が偏ってしまう可能性もあるため注意が必要。

たんぽぽコーヒー

たんぽぽの根を黒煎りし、煮出して作る代用コーヒーの一種。
香りはあまりコーヒーには似ていないが、あっさりとした苦味とほのかな甘みは薄めに淹れたコーヒーに近いものもあり、カフェインレスのコーヒー風飲料として親しまれている。
また、たんぽぽの根は漢方薬としても使用されており、血行促進、疲労回復、不妊や浮腫みの改善などに効果があるとされている。
同じ代替コーヒーでもチコリコーヒーは妊娠中には悪影響があるとされるため、妊婦でも安心して飲める代替コーヒーとしてたんぽぽコーヒーが選ばれることが多い。

チコリコーヒー

チコリの根を黒煎りし、煮出して作る代用コーヒーの一種。
カフェインを含んでおらず、便秘解消に役立つなど強いデトックス効果があるとされており、味わいも深煎りのコーヒーに近くおいしく飲めるため、「体に良いコーヒー風ノンカフェイン飲料」として愛飲している人も多い。
ただ、妊婦が継続的に摂取すると子宮収縮による流産の可能性があり、子供にも悪影響が出る危険性があるため、妊娠中は避けたほうが良いとされる。

薄皮、チャフ

生、もしくは焙煎したコーヒー豆の表面に付着している薄い膜。
コーヒー豆とパーチメント(内皮)の間には、シルバースキンといわれる薄皮がある。
これは通常処理の段階で取り除かれるが、センターカットの間や豆表面などに残っていることも多い。
焙煎する際、特に直火式焙煎器を使用すると、乾燥してはがれたチャフが周辺に大量に飛散することがあり、大量の煙を発生させる原因となることもある。
とても薄いため静電気や気流の影響を受けやすく、換気扇やミルの駆動部分に付着しやすい。
また、挽いた後のコーヒー粉をチェックすると、思ったよりたくさんのチャフが見つかることが多い。
そのまま抽出を開始しても問題はないが、若干の雑味の元にもなりえるので、お湯を注ぐ前に粉表面にそっと息を吹きかけるなどして取り除くことを推奨する説もある。

中煎り

中くらいの焙煎度合いを示し、一般的には「ハイロースト」「シティロースト」「フルシティロースト」を指す。
酸味や苦味、甘みのバランスが取れることが多く、適合する豆の品種も非常に多い。
ただし、上手に焙煎しないと芯が残る恐れもあるため、初心者のころは(芯残りという失敗についていえば)深煎りよりも難しいといえる。
程よい茶色とふっくらとした形は、通常思い浮かべるコーヒー豆のイメージに近いといえるだろう。

抽出

もの、成分、データなどを抜き出すこと。
コーヒーに関しては、コーヒー粉にお湯を加えてコーヒー液を得ることを指す。
コーヒー豆に含まれる成分は、温度や水分に触れる時間によってそれぞれ溶出量が変わり、同じ豆を使用しても豆の挽き目、お湯の温度、使用する道具などによって抽出されるコーヒーの香りや味わいが大きく変わる。

中東

アラビア半島を中心とする、ヨーロッパとアジアに挟まれた地域。
中世以前からイスラム教国家が統治する地域であり、世界でもっとも古いコーヒービジネスが行われた土地でもある。

中挽き

コーヒー豆の挽き目(粒度)の一種。
粗挽き細挽きの中間くらいの粒度とされるが、正式なメッシュが決まっているわけではない。
抽出スピードやお湯の通りに極端なところが無いため、特にドリッパーでの抽出などに向いているとされる。
逆に、一般的な温度より高い湯温で抽出する器具(サイフォンなど)や、お湯が一気に通っていってしまう器具(エスプレッソマシンマキネッタなど)にはあまり向いていない。

超臨界二酸化炭素

超高圧化で一定の温度をあたえることにより超臨界流体化した二酸化炭素。
液体と気体両方の特徴を持っており、その浸透性と溶出性から安全にカフェインを取り除く溶媒として、ディカフェの際に用いられている。

直火式焙煎機(器)

コーヒー豆に直接炎が当たる方式の焙煎機。
コーヒー業界では「じかびしき」ではなく「ちょっかしき」と読む方が多いとのこと。
機械式の焙煎機の場合はコーヒーが入るドラムに微細な穴があいており、そこから炎が入るようになっている。
手焙煎の焙煎器の場合、底面、もしくは全体が網状になっているケースが多い。
炎が直に当たるため温度上昇が早く、豆の種類によってはカラメル化したような甘い香りがついたり独特の心地よい苦味を付与することができるが、豆の一部が焦げてしまったり芯が過熱されきらないまま残ってしまったりする恐れもある。
うまくいっても煎りむらができやすいため、完全に香味をコントロールしたいロースターには敬遠される傾向があるが、逆にそれを味と捉えて好む人も少なくない。

ディカフェ

カフェインを取り除いたコーヒー豆、コーヒー液を指す。
カフェインレス。
生豆の状態で他の液体にカフェインを溶出する方式が取られており、現在では水を使用する「スイスウォーターメソッド」、ジクロロメタンなどの有機溶媒を使用する「ケミカルメソッド」、高圧化で液体化したいわゆる超臨界二酸化炭素を使用する「超臨界二酸化炭素メソッド」の三つが主な手法とされる。
いずれも完全にカフェインを取り除くことはできないが、数%まで含有量を減らすことができ、カフェインに悪反応を示してしまう人や、宗教、食事上の主義の関係でカフェインをとりたくない人でもコーヒーを楽しむことができる。

ティピカ

エチオピアからイエメンに持ち込まれ、後にインドネシアを中心とした東南アジアやコロンビアなどで栽培・改良されていった源流種のひとつ。
病害などに非常に弱いため、長い年月をかけて品種改良を繰り返されており、原種はほとんど現存しない。
ここから派生していった品種をまとめて「ティピカ系」と呼ぶ。

電動式ミル

電力を動力源として歯を回転させてコーヒー豆を挽くミル
手動式に比べて安定して短時間で豆を挽くことができ、業務用、工業用にも用いられる。
トルクやスピードを一定に保つことができるため、歯の形状にもよるが挽き目がばらけづらいというメリットがある。
反面、どうしてもサイズが大型になりがちで、かつ使用時に電源を確保せねばならず、手軽さや利便性では手動式に劣る部分も。
ロール式以外では歯が熱を持ちやすく、調整しないと引いている最中に余計な熱がコーヒー豆に加わってしまう可能性もあるので注意が必要といえる。

東南アジア

中国より南、インドより東のアジア地域を指す。
ヨーロッパ諸国による植民地支配を受けていた時代にコーヒー栽培が始まった国がいくつもあり、インドネシアなど今でも優良な生産地も多い。

ドライプロセス

生産処理方法のひとつ。
コーヒーチェリーを収穫後、果肉をはずさないまま天日で干す方式。
コーヒー豆に果肉から色や香りが移るため、少し前までは「雑味が混じる」としてウェットプロセスよりも価値が低いものとされてきた。
しかし、近年の個性を求める風潮から、ドライプロセスのよさが見直されつつある。
「ドライプロセス」という名称に悪いイメージがついてしまったため、「ナチュラルプロセス」と呼ばれることも多い。

特殊喫茶

コーヒー以外のサービスに主体を置いた喫茶店。
特に戦前・戦後は過激な性的サービスを展開する店が増え、規制するための法律も作られた。
現在は風俗系のサービスを行う店が「喫茶」を名乗ることはほとんどないが、風営法の条文などにいまも痕跡が残っている。

ドトールコーヒーショップ

東京に本社を置くコーヒー関連商社「株式会社ドトールコーヒー」が運営するフランチャイズ経営のカフェ。 1980年に日本ではじめて「セルフサービス式」のカフェとしてオープンした。 店員が席まで注文を取りに着たり商品を運んでくる「フルサービス式」に比べて、スピーディで安価なサービスを提供できたことから広く支持を受け、全国に2016年現在で1000店以上の店舗を構えるカフェチェーンへと成長した。 また、その後にやってくるスターバックスなど「シアトル系」のカフェ、そしてセカンドウェーブが日本で受けいれられたのは、ドトールがセルフ式の下地を形成していたからとする説もある。

トラジャ

インドネシアのスウェラシ島、トラジャ地区で栽培されているコーヒー豆。
一時期栽培が途絶えていたが、日本のキーコーヒーの尽力により復活。
その経緯から現在では日本でも有名な品種の一つとなっている。

ドリッパー

紙や布などのフィルターを通し、コーヒーを濾過して「滴らせる」ことでコーヒー液を得る器具全般。
一般的には円錐や台形の器具にペーパーフィルターをセットして使用する、いわゆる三角ドリッパーを指すことが多い。
ほとんどの製品において抽出と濾過が同時に行われるため、より良い味わいを得るためには技術が必要になる。

ドリップ

直訳は「滴」「滴らせる」。
ドリッパーなどを使用してコーヒー液を得ること。
また、その際の技術を指すこともある。

ドリップポット

ドリップの際に使用する、抽出技術に特化した形状を持つポット。
熱伝導性がよく鉄分が溶出しない銅、真鍮、ステンレスなどの金属製や、ガラスコーティングのかかったホーロー製の製品が多い。
細く長い注ぎ口がついており、コーヒー粉面の近くから、少量ずつ安定してお湯を注げるようになっている。
高価なものほど湯量のコントロールがしやすく、よれのない注ぎ方ができるようになっていることが多い。

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