番外編|有名なカフェを訪ねる④

番外編

番外編

個人経営の老舗ではありませんが、戦後の喫茶店最盛期から現在のカフェ文化へとつながる日本のコーヒーの歴史のなかで重大な役割を果たしたお店を二つだけご紹介します。

ドトールコーヒー

住所 東京都渋谷区神南一丁目10番1号(本社)
電話 HP非掲載(本社)
営業時間 店舗による
HP https://www.doutor.co.jp/dcs/

いまや首都圏を中心にどこでも見かけるほど普及した、セルフサービス式カフェの代表格。
1962年の創業当時は焙煎豆の卸を行っていたドトールが、ヨーロッパで一般的だった立ち飲みスタイルのセルフサービス式カフェをスタートしたのは1980年のことでした。
いまでこそカウンターで注文して先にお金を払って商品を受け取る方式は当たり前になりましたが、席に座って店員に注文を取ってもらい、席まで持ってきてもらうというフルサービス式が当然だった時代、このやり方は画期的なスタイルとして注目を集めました。
そしてドトールのこの試みが、忙しい当時の日本人のライフスタイルにマッチしていたことから支持を集め急速に浸透していったことで、1996年のスターバックス進出の下地ができ、ひいては「喫茶店文化」から「カフェ文化」へと日本のコーヒー店業態が進化するきっかけになったとも考えられています。
今ではどちらかというと目立たない、地味な印象のあるドトールカフェですが、日本のコーヒー史においては、なくてはならない重要な役割を演じたお店だといえるでしょう。

スターバックス

住所 東京都品川区上大崎二丁目25番2号 新目黒東急ビル
電話 03-5745-5890(本社)
営業時間 店舗による
HP http://www.starbucks.co.jp/

最後にご紹介するのは、いまや知らない人はいないレベルの大成功を収めたカフェ、スターバックスです。
アメリカ・ワシントン州でセカンドウェーブを巻き起こしたスターバックスが、東京・銀座に日本第一号店を出店したのは1996年のこと。
ドトールカフェがセルフサービス式のカフェを浸透させていたとはいえ、瞬く間に日本一の店舗数を持つカフェチェーン店となりました。
世界的な事情とは異なりますが、喫茶店か缶コーヒーかの二択だった当時の日本人に「テイクアウトしたコーヒーを持ち歩く」という三つ目の選択肢を与え、かつては一部のコーヒー好きの間だけで共有されていたコーヒー豆の産地や銘柄による違いを一般の人々の間にも広め、さらに当時はあまり一般的でなかったエスプレッソドリンクを普及させたという点で、まさに大きなウェーブを巻き起こしたカフェであると言えるでしょう。
時代が「サードウェーブ」によって再度転換期を迎えたこともあり、全都道府県制覇のあとから出店の勢いがやや衰え気味ではあるものの、どの店舗も時間帯に関わらずくつろぐ人々で一杯な様子からすると、まだまだ業界的には一人勝ち状態が続きそうです。

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