各国の等級と条件:その他、例外的格付け|コーヒー豆の格付けについて5

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イエメン

 イエメンでは、品質による全体的なグレードわけはされておらず、生産地によって格付けされます。

 基本的にはマタリがもっともグレードが高く、続いてサナア、シャーキ、ホデイダと続きます。

 さらに、それぞれの地域の中では豆のサイズや品質による上下があり、バニマタル地区(マタリ)はNo.9が最高ランクでNo.6まで、サナアは品質的に平均より上か下かの区別だけなど、かなり複雑になっています。(下記表は上に書かれているものほど高品質)

イエメンの地区による代表的な格付け
地区名 地区内部での格付け表記 条件
バニマタル(マタリ) No.9 不明
No.8
No.7
No.6
サナア 平均より上
平均より下
シャーキ
ホデイダ

 上記表でご紹介した格付けはあくまでも一部の例です。上記表内の格付け以外にも、別の地区や条件によるグレードが幾つか存在しています。

コンゴ

 コンゴコーヒークオリティによってグレードが分けられ、キブ2~キブ7までの6段階に分類されます。

 キブ2、キブ3は「プレミアム」とも呼ばれ、スペシャルティコーヒーの区分となっています。格付けに振り分けられる具体的な条件などは残念ながら不明です。

コンゴのコーヒー豆の格付け
主な表記 条件
プレミアム コンゴ キブ2 不明
コンゴ キブ3
コンゴ キブ4
コンゴ キブ5
コンゴ キブ6
コンゴ キブ7

ペルー

 ペルーでは欠点豆の数とそれを取り除く方法によって格付けされます。(下記表は上に書かれているものほど高品質)

ペルーのコーヒー豆の格付けとそれぞれの条件
主な表記 読み 条件
欠点豆の数とそれを取り除く方法
ESHP ELECTRONIC SORTED & HAND PICKED
/エレクトロニック・ソーテッド&ハンドピックト
機械式選別器と電子式選別器にかけ、さらに人の手でハンドピックを施す
ES ELECTRONIC SORTED
/エレクトロニック・ソーテッド
機械式の選別器にかけた上で電子式の選別器にかける
MCM MACHINE CLEANED MEJORADO
/マシン・クリーンド・メホラド
機械式の選別器に二回かける
MC MACHINE CLEANED
/マシン・クリーンド
機械式の選別器に一回かける

 さらに、スクリーンサイズ(20~14)による格付けも合わせて細かく分類されます。

スクリーンサイズ
主な表記 条件
スクリーンサイズ
20 最大
19
18
17
16
15
14 最小

ドミニカ

 ドミニカでのグレード分けは、大きく生産地とスクリーンサイズに分類されます。

 生産地ではノロエステ地区、シバオ地区、シエラオクシデンタル地区、シエラセントラル地区、シエラスール地区、ネイバ地区、バラオナ地区に分けられ、それぞれの地区ごとに異なった特徴を持っています。

 スクリーンサイズはAAAを最大とし、以下、AA、A、AB、Bとサイズが下がっていきます。具体的な数値は不明です。(下記表は上に書かれているものほど高品質)

ドミニカのコーヒー豆の格付け
主な表記 条件 基準値
スクリーンサイズ
AAA 最大 各地域ごとに異なる
AA
A
AB
B 最小

 生産地に上下の関係はなく、各地域ごとにそれぞれの基準で格付けされるため、同じAA表記だとしても品質が同じだとは限りません。

ジャマイカ

 ジャマイカではコーヒー豆の収穫地で格付けされ、ブルーマウンテンだけはスクリーンサイズでもグレードが分類されます。

 さらに、ピーベリーか否か、欠点豆の多さでもグレードが変わります。(下記表は表ごとに上に書かれているものほど高品質)

ジャマイカのコーヒー豆の格付けとそれぞれの条件

コーヒー豆の収穫地を判断基準にした場合
主な表記 読み 条件
コーヒー豆の収穫地 スクリーンサイズ
BLUE MOUNTAIN No.1 ブルーマウンテン ナンバーワン 規定されたブルーマウンテン山域で生産されたもの 17(6.8mm)以上18(7.2mm)未満
No.2 ブルーマウンテン ナンバーツー 16(6.4mm)以上17(6.8mm)未満
No.3 ブルーマウンテン ナンバースリー 15(6.0mm)以上16(6.4mm)未満
HIGH MOUNTAIN ハイマウンテン ブルーマウンテン以外の標高1000m以上1200m未満の地域で生産されたもの
PRIME WASHED プライムウォッシュト 上記の場所以外で生産されたもの
収穫地で比較した場合
主な表記 読み 条件
BLUE MOUNTAIN ブルーマウンテン 規定されたブルーマウンテン山域で生産されたもの
HIGH MOUNTAIN ハイマウンテン ブルーマウンテン以外の標高1000m以上1200m未満の地域で生産されたもの
PRIME WASHED プライムウォッシュト 上記の場所以外で生産されたもの

 ブルーマウンテンはここからさらにスクリーンサイズによっても分類されます。

スクリーンサイズで比較した場合
主な表記 条件
スクリーンサイズ
No.1 17(6.8mm)以上18(7.2mm)未満
No.2 16(6.4mm)以上17(6.8mm)未満
No.3 15(6.0mm)以上16(6.4mm)未満

 さらに、上記の表だけではなく、下記の表の条件を加味した上でコーヒー豆の格付けは決まります。

欠点豆の多さを判断基準にした場合
主な表記 読み 条件
SELECT セレクト 欠点豆が許容範囲内で一定の基準値を超えるもの

 よって、ジャマイカの格付けを全て順番に並べると以下の通りになります。

ジャマイカのコーヒー豆の格付けとそれぞれの条件
主な表記 読み 条件
BLUE MOUNTAIN No.1 ブルーマウンテン ナンバーワン 規定されたブルーマウンテン山域で生産されたもので、スクリーンサイズが17(6.8mm)以上18(7.2mm)未満のもの
No.2 ブルーマウンテン ナンバーツー 規定されたブルーマウンテン山域で生産されたもので、スクリーンサイズ16(6.4mm)以上17(6.8mm)未満のもの
No.3 ブルーマウンテン ナンバースリー 規定されたブルーマウンテン山域で生産されたもので、スクリーンサイズ15(6.0mm)以上16(6.4mm)未満のもの
SELECT ブルーマウンテン セレクト 規定されたブルーマウンテン山域で生産されたもののうち、欠点豆が許容範囲内で一定の基準値を超えるもの
PEA BERRY ピーベリー ピーベリーだけを集めた製品
HIGH MOUNTAIN ハイマウンテン ブルーマウンテン以外の標高1000m以上1200m未満の地域で生産されたもの
PRIME WASHED プライムウォッシュト 上記の場所以外で生産されたもの
SELECTJAMAICAN SELECT セレクト(ジャマイカン セレクト) 欠点豆が許容範囲内で一定の基準値を超えるもの

タンザニア

 タンザニアでは、スクリーンサイズと豆の品質によってグレードが定められており、やや複雑です。

タンザニアのコーヒー豆の格付けとそれぞれの条件

 基本的にはスクリーンサイズによって以下の4段階に格付けされます。(下記表は表ごとに上に書かれているものほど高品質)

スクリーンサイズで比較した場合
主な表記 条件
スクリーンサイズ
AA 6.75mm以上
A 6.25mm以上6.75mm未満
B 6.15mm以上6.25mm未満
C 5.90mm以上6.15mm未満

 さらにAAよりも著しく大きいものをE(エレファント)と呼び、格付けはCよりも下です。

 その他、Cよりもさらに小さいものや欠け豆などはTTおよびTと呼ばれます。また、平均サイズより重量の重いものであるF(AF、BFという風に表現する)、PB(ピーベリー)等もあります。

 またサイズとは別に、品質ごとに以下の9段階に格付けされます。

品質で比較した場合
主な表記 条件
FINE 最も品質が高い
GOOD
FAIR GOOD
FAQ+
FAQ
FAQ-
POOR FAIR
POOR
VERY POOR 最も品質が低い

ブラジル

 ブラジルの格付けは、欠点豆や異物の混入数、スクリーンサイズ、カップ(味わい)の三点で複合的に行われるため、やや複雑です。

ブラジルのコーヒー豆の格付けとそれぞれの条件

 欠点豆や異物の混入数については、その種類やサイズによって減点数が決められています。例えば、未熟豆の場合は5点、中くらいの枝が混じっていた場合は2点というような具合です。

 ランダムに抽出された300gのサンプルの中に含まれる減点合計からグレードを割り出します。(下記表は表ごとに上に書かれているものほど高品質)

サンプルの中に含まれる減点合計で比較した場合
主な表記 条件
減点の合計数
No.2 4点以下
No.3 8点以下
No.4 26点以下
No.5 46点以下
No.6 86点以下
No.7 160点以下
No.8 360点以下

 ちなみに、「コーヒーは農作物であり完璧なものはない」という考えからNo.1は存在しません。

 スクリーンサイズは20から13までの8段階で分類されます。

スクリーンサイズ
主な表記 条件
スクリーンサイズで比較した場合
20 最大
19
18
17
16
15
14
13 最小

 カップは主に不快な刺激をどれだけ感じるかで分類され、次の5段階に分けられます。

カップ(不快な刺激をどれだけ感じたか)で比較した場合
主な表記 読み 条件
STRICITY SOFT ストリクトリー・ソフト 不快な刺激のない滑らかな味わい
SOFT ソフト 滑らかな味わい
HARD ハード 刺激を感じる味わい
RIOY リーヨ やや不快な刺激を感じる味わい
RIO リオ 不快な刺激を感じる味わい

 基本的にマイルドで刺激のないものほど品質が高いとされているようです。

 ブラジルの格付けはこれらを組み合わせて表されます。例えば、「ブラジル サントス No.2 スクリーンサイズ15  HARD」という具合です。

 「サントス」という部分はサントス港を指します。かつてはコーヒーの来歴を国名プラス港の名前で表示していました。直接格付けには関わってきませんが、現在もその名残としてこのように表記しているようです。

ラベルの意味がわかればコーヒー選びがさらに楽しくなります!

 例外的な基準を採用している国については、複合的な判断基準にせよ産地名など独特の方式にせよ、一つずつ憶えていくほかありません。

 ただ、全てをいっぺんに覚えようとすると大変ですので、まずはシェアが巨大で大量に輸入されているため遭遇率の高いブラジルや、日本にそのほとんどが輸入される高級品種ブルーマウンテンのあるジャマイカなど、利用頻度の高そうな国から少しずつ覚えていってはいかがでしょうか。

 格付けについて丸暗記したからといって、コーヒーがおいしく淹れられるようになるわけでも誰かに威張れるわけでもありません。

 ですが、いままで記号のようにしか見えていなかったラベルの意味が分かるようになることで、きっとコーヒー豆選びがもっと楽しくなりますよ!

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