コーヒーの全世界での年間生産量は、約892万tです(2013年)。
これは、流通に使用されるコーヒー用の麻袋で約1.5億袋分であり、単純に考えるとすごい分量に思えます。
しかし、嗜好品としての農作物、あるいは世界中で飲まれる飲み物として、この量は多いのでしょうか、少ないのでしょうか。
同じように世界中で飲まれている「お茶」と比べてみましょう。
茶の全世界での年間生産量は約535万t(2013年)で、コーヒーの約60%ほどです。
(もともとは8割以上が紅茶でしたが、この一世紀で緑茶の割合が大きくなってきており、現在は紅茶が6割、緑茶が3割、それ以外が1割程度と言われています)
単純に生産量だけで見るとコーヒーの方が多く飲まれているように思えますが、これはそれぞれ「コーヒー豆」と「茶葉」での話。
飲み物として楽しむにはそれぞれ抽出する必要がありますが、一杯分を得るのに必要な分量に違いがあります。
コーヒー原料になる分やエスプレッソとして飲まれる豆も多いため単純な計算はできないのですが、仮に全てドリップコーヒーとして飲まれるとします。
コーヒー一杯(150ml)を得るのに平均してコーヒー豆12gが必要とすると、年間生産量全てを抽出すると約74.3万kl。
お茶も種類によって必要量が大きく異なってきますが、一杯分で平均5gの茶葉が必要とすると、得られるお茶は約107万klになり、原料の状態と順位が逆転します。
また、チャノキの葉を利用したもの以外、例えばハーブティやコーンティなど他の植物などを利用したお茶はここには含まれていないため、飲み物として考えた場合はお茶の方がコーヒーよりも圧倒的に多く飲まれていると言えるようです。
なお、同じ嗜好性飲料であるアルコール飲料の年間生産量を見てみると、ワインが約2700万kl、ビールにいたってはなんと約1億9000万klとのこと。
世界中で認知度が上がり、急激に生産量を増やしているお茶とコーヒーですが、アルコール飲料にはまだまだかなわないようですね。