ニカラグアの基本データ |
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国名 | ニカラグア共和国 | |
首都 | マナグア | |
人口 | 約570万人 | |
国土面積 | 約12.9万k㎡ | |
地域 | 北アメリカ | |
栽培されている主な種 | アラビカ種 | |
主な処理方法 | ウォッシュト、パルプトナチュラル | |
生産量 | 約8.4万t | |
主な生産地 | ヌエバ・セゴビア、ヒノテガ | |
代表的な商品名 | マラゴジペ |
ニカラグアは北アメリカに位置する共和制の国家です。
スペイン植民地時代から圧制と搾取にさらされた歴史を持ち、独立後も半世紀近く続いた独裁政治や内乱により苦難を強いられてきました。
20世紀末にようやく一定の収束を見ましたが、現在でも治安の悪さが重大な問題となっており、コーヒー栽培においてもいまだ混乱期の影響が残っているようです。
コーヒーの主要な農園は主に国土北西のイサベラ山脈を中心にした地域に集まっており、標高700~2000mの山間部にかなり小規模な農園の形で運営しています。
コーヒーは重要な輸出品目の一つですが、国の混乱期にいろいろな品種が管理されることなく植えられており、特定の品種にこだわった栽培はほとんど行われていないとのこと。
収穫後の処理も個々の農園で行われることは稀で、処理工場が周辺の農園からコーヒー豆を買い取り、一括で処理してしまいます。
そのため、ごく最近まで品種や農園を特定した取引が困難になっていました。
ただ、近年ではサードウェーブの影響からコーヒー豆の情報に対する市場のニーズも高まり、それを受けて品種を限定した栽培法を取り入れたり、スペシャルティコーヒーのバイヤーと直接取引をする農園も出始めているそうです。
ニカラグア産のコーヒー豆で、昔からほぼ唯一選別されて取引されてきたのが「マラゴジペ(マラゴジッペ)」という品種です。
これはニカラグア国内で突然変異により生まれたとされている品種で、コーヒーチェリーの状態で明らかにそれと分かるほど大粒なのが特徴です。
そのため、いろいろな種類の木が混ざってはえている中でも見分けがつきやすく、工場で生豆に加工された後も選別が可能であるため、特別な豆として分けられて流通していました。
やや大味なものもありますが、チョコレートや蜂蜜にたとえられるまろみをまとった甘さを持つといわれています。
ニカラグアでは産地の標高によってグレードが分けられており、高いほうからSHG(STRICTLY HIGH GROWN/標高約1500m以上)、HG(HIGH GROWN/標高約1300m以上1500m未満)、MG(MEDIUM GROWN/標高約1000m以上1300m未満)、LG(LOW GROWN/標高約1000m未満)となっています。
ニカラグアのコーヒー豆は、全体的に甘く繊細な味わいと爽やかな香りを持つとされ、その整った香味バランスは日本では特に好まれやすい特徴と言えるのではとされています。
今のところ残念ながらあまりメジャーな産地とはいえませんが、生産量も徐々に伸びてきており、品質にこだわった栽培も始まっているそうなので、情報に敏感なバイヤーたちの手で良質な豆が発掘され、日本での知名度が上がってくるのもそう遠くはないかもしれませんね。