日中のコーヒーブレイクがリラックスした時間をあたえてくれるように、夜にお酒とともに飲むコーヒーもまた、素敵な時間を演出してくれます。
蒸留酒の香りやリキュールの甘み、酸味が、コーヒーのもつ香りや味わいと合わさって、大人の飲み物にふさわしい複雑なおいしさを生み出すのです。
きっとコーヒーのいつもと違った魅力を再発見できますよ。
ここでは、コーヒーを使用したカクテルをいくつか見てみましょう。
カフェ・アレキサンダー
材料
アイスコーヒー | 120cc |
---|---|
クレームド・カカオ | 10cc |
ブランデー | 10cc |
生クリーム(ホイップ) | 適量 |
作り方
- グラスにカカオリキュールとブランデーを注ぐ
- アイスコーヒーを注ぎいれ、軽く混ぜる
- コーヒーの上に生クリームをスプーンでそっと乗せる
ブランデーベースのカクテル、アレキサンダーの派生レシピです。
甘く香ばしいクレームド・カカオとブランデーの華やかな香りがアイスコーヒーに溶け込み、リッチな味わいを醸し出します。
分量はレシピによってまちまちで、ブランデーが多いものやクリームまで全てシェイクしてナツメグをふって飲むものも。
甘みがもっと欲しければクレームド・カカオを少し増やすかシロップを加えても良いようです。
コーヒーはブランデーの香りに負けないよう濃く抽出した、深煎りのものを使用するとよりおいしくなるでしょう。
もとのアレキサンダーもそうですが、アルコール度数の割りにすいすいと飲める危険なカクテルですので、飲みすぎには十分注意してください。
カフェ・プッチ
材料
ホットコーヒー | 200cc |
---|---|
ゴールドラム | 45cc |
アマレット | 5cc(1tsp) |
生クリーム(ホイップ) | 適量 |
作り方
- 大きめの耐熱グラスにラムとアマレットを注ぐ
- ホットコーヒーを加えて軽く混ぜる
- ホイップした生クリームを少量乗せる
ラムを使用した、ほのかな甘みを感じるホットカクテルです。
コーヒーの香りが前面にあらわれ、ラムの甘やかなアルコールとともにリラックスした気持ちにさせてくれます。
ラムの分量が多くなるので、温度が下がらないようにラムとグラスを事前に軽く温めておきましょう。
ホイップクリームは砂糖を加えても加えなくてもおいしくいただけますが、あまりたくさん入れてしまうとカクテルの味わいを損ねるので、少量にとどめたほうがいいようです。
同じ名前で、ホットコーヒーではなくエスプレッソを使用したレシピもありますが、こちらはさらに黒糖を加えて甘みを強化してあります。
甘いほうが好きな方は、そちらを検索してみてもいいかもしれませんね。
モヒートコーヒー
材料
アイスコーヒー | 15cc |
---|---|
ラム | 15cc |
はちみつ | 10cc |
ミントの葉 | 5,6枚 |
炭酸水 | 適量 |
作り方
- グラスにミントと蜂蜜、ラムを入れ、ミントをスプーンなどを使ってつぶす
- 氷を数個入れ、炭酸水を静かに注ぎ込む
- アイスコーヒーを注ぐ
暑い日にぴったりのカクテル・モヒートと、暑い日にこそ飲みたいアイスコーヒーがであった爽やかなレシピです。
とはいえ、コーヒーはちょっとしかはいっておらず、苦味と酸味をアクセントとして加える程度。
はちみつの甘さとミントの爽快さが炭酸に乗ってすーっと喉を駆け下りていく、すっきりとしたカクテルになっています。
もっと濃いコーヒー味がいい、という人は「モナン モヒートミントシロップ」というカクテル用シロップを使用したノンアルコールカクテルもあるようですので、そちらをお試しください。
ジャマイカンマジック
材料
ホットコーヒー | 150ml |
---|---|
ダークラム | 15ml |
ティア・マリア | 15ml |
生クリーム(ホイップ) | 適量 |
作り方
- 温めたグラスにダークラムとティア・マリアを注ぐ
- ホットコーヒーを注いで軽く混ぜる
- ホイップした生クリームを飾り付ける
コーヒーリキュールの一種であるティア・マリアを使用するカクテルです。
コーヒーリキュールと言えば、日本ではカルーアが有名ですが、ティア・マリアはそれよりもコクと風味の良い大人向けのリキュールといえます。
コーヒーの香りとダークラム、そしてティア・マリアの香りがそれぞれを引き立てあう、寒い冬の夜にぴったりのカクテルです。
ティア・マリアを使用しないレシピもあり、そちらはシナモンシュガーを使用していてまた違ったおいしさがあるのですが、こちらのレシピのほうがコーヒーらしい味わいを楽しめます。
カフェ・ブルボン
材料
ホットコーヒー | 100ml |
---|---|
シェリー(オロロソ) | 5ml(1tsp) |
作り方
- カップにホットコーヒーを淹れる
- スプーン一杯のシェリーを加え、軽くかき混ぜる
ホットコーヒーにスプーン一杯分のシェリー酒を加えるだけという、非常にシンプルなカクテルです。
シンプルすぎてカクテルと呼ぶべきかどうか迷うくらいですが、その効果は絶大。
シェリーの甘酸っぱい風味が加わり、おいしいコーヒーがさらにリッチになります。
お酒に強い方なら、日中のコーヒータイムにちょっと刺激的な一杯を、という飲み方でもいいかも。
シェリーはいわゆる「酒精強化ワイン」と呼ばれるタイプのお酒で、風味や造り方によっていろいろな種類があり、オロロソはその中でも味も色も濃い、コーヒーのようなコクのあるタイプといわれています。
ほかの種類のシェリーでも色々試してみて、自分好みの一杯を探してみるのもいいかもしれませんね。
クイーンズガーター
材料
ホットコーヒー | 120ml |
---|---|
ホワイトペパーミントリキュール | 15ml |
カルーア | 15ml |
ドランブイ | 5ml(1tsp) |
生クリーム(ホイップ) | 適量 |
作り方
- 温めたタンブラーにホワイトペパーミントリキュールとカルーアを注ぐ
- ドランブイを加えて軽く混ぜる
- ホットコーヒーを注ぎ、生クリームをホイップして飾りつける
ホワイトペパーミントリキュールとカルーアを使用した、ちょっと甘めのカクテル。
甘すぎてだれないように、ドランブイが少量使われています。
ドランブイとは、スコッチウイスキーをもとにしたスモーキーな香りのリキュールです。
もし、ちょっと苦手だな、と感じるなら、深煎りのコーヒーを使用してドランブイを省略してもおいしいですよ。
生クリームとホワイトペパーミントリキュールがあいまって、ミントチョコのような愛らしい味わいを楽しめます。
カルーアコーヒー
材料
ホットコーヒー | 100ml |
---|---|
カルーア | 20ml |
作り方
- 温めたグラスにホットコーヒーを注ぐ
- カルーアを加え、軽く混ぜる
これもかなり簡単なレシピ。コーヒーにカルーアを注ぐだけです。
コーヒーにコーヒーリキュールを合わせるのですから、合わないわけがないですよね。
カルーアの原液はものすごく甘いためそのまま飲むことはほとんどないリキュールですが、濃縮したコーヒーフレーバーの香りがしっかりとついた香ばしい味わいで、これがコーヒーのコクをさらに強調してくれるのです。
甘すぎる場合はコーヒーの量で調整しましょう。
逆にもっと甘くしたい場合は、カルーアや砂糖などを加えて甘みを足します。
カルーアを足しすぎると、思いのほか酔っ払ってしまうので注意しましょうね。
ブラックローズ
材料
アイスコーヒー | 100ml~ |
---|---|
ダークラム | 45ml |
作り方
- グラスに氷を入れ、ダークラムを注ぐ
- グラスをアイスコーヒーで満たし、軽く混ぜる
こちらはアイスコーヒーを使用したレシピ。
コーヒーとラムの相性は非常に良く、ホットでもアイスでも楽しめますが、このブラックローズのようにラムの量を増やしてしっかりとしたお酒にしたいのであればやはりアイスのほうがいいでしょう。
コーヒーを濃い目に落としておくと、さらに大人っぽさが増します。
ラムはゴールドラムでも良く、飲みにくいと感じるようなら30mlで作るバージョンもあります。
もしくは、お好みでガムシロップを少量加えても飲みやすくなりますが、そうとうアルコール度数が高いカクテルなので、飲み過ぎないように注意しましょう。
アイリッシュコーヒー
材料
ホットコーヒー | 150ml |
---|---|
アイリッシュウイスキー | 30ml |
生クリーム(ホイップ) | 適量 |
作り方
- ホットコーヒーを淹れる
- アイリッシュウイスキーを注ぎ、軽く混ぜる
- ホイップクリームを飾り付ける
ホットコーヒーにお酒をプラスするという飲み方は、実は世界各地で見られます。
ヨーロッパに渡った当初は紅茶などに比べてもフォーマルな飲み物とはされておらず、お酒と同じように扱われていた時期や地域もありますので、ある意味必然的なことなのかもしれませんね。
ホットコーヒーにウイスキーを加えたレシピだけでも、他にスコッチコーヒー(スコッチウイスキーをプラス)と、そこから生クリームを除いたハイランドコーヒーというレシピがあります。
メキシカンコーヒー
材料
ホットコーヒー | 150ml |
---|---|
カルーア | 20ml |
テキーラ | 15ml |
作り方
- カップにカルーアとテキーラを注ぎ、軽く混ぜる
- ホットコーヒーを注ぐ
国名+コーヒーという名前ですが、こちらにはカルーアも混ざっています。
ちょっと甘口でテキーラの独特の風味がおもしろい、癖になる味わいです。
同じ名前のプロ用のレシピでは、アルコールに火をつけ、燃えたままコーヒーへと注ぐ、というものもあり、流れる炎がコーヒーの黒い水面へ吸い込まれていく様はなかなか見ごたえがあります。
でもそれを見るたびに、あんなに熱そうな液体を注いでコーヒーの味や香りは大丈夫なんだろうか、と考えてしまいます。
どちらにせよ、そのレシピは自宅で再現するのはちょっと難しいですね。
ロシアンコーヒー
材料
ホットコーヒー | 150ml |
---|---|
生卵(卵黄) | 一つ |
ウォッカ | 15ml |
生クリーム(ホイップ) | 適量 |
作り方
- カップに卵黄を割り入れ、ウォッカを加えてよくかき混ぜる
- 熱いコーヒーを混ぜながら注ぐ
- ホイップクリームを飾り付ける
よく日本のちょっとこだわった喫茶店や専門店で出てくるロシアンコーヒーといれば、チョコレートを溶かし込んだ甘いコーヒーのことで、そちらにはアルコールははいっていません。
また、コーヒーではありませんがロシアンティといれば、ジャムを入れた紅茶のことですよね。
でも、本場ロシアの冬はそんな甘い飲み物では乗り切れないのです!
ということで、卵とウォッカを使用するバージョンのレシピです。
日本で言うところのたまご酒のようなものでしょうか。そういえば、ロシアンティもジャムを中に入れるのではなく、ウォッカをふりかけたジャムを舐めながら飲むお茶を指すこともあるそうですね。
確かに体がものすごく温まりそうです。
ウォッカがもっとたくさん入るレシピもあるようですが、そちらは自己責任でお試しください。
ロイヤルコーヒー
材料
ホットコーヒー | 100ml |
---|---|
コニャック | 30ml |
砂糖 | 適量 |
生クリーム(ホイップ) | 適量 |
作り方
- 温めたカップにコニャックを注ぎ、砂糖をそっと入れる
- 熱いコーヒーをそっと注ぐ
- ホイップクリームを飾り付ける
こちらはちょっと上品なレシピ。
ロイヤル・カフェ、カフェ・ロワイヤルなどと呼ばれることもあります。
グラスやスプーンの上に砂糖とコニャック(ブランデー)を入れ、そこに火をつけてグラスを温め、燃えているうちにコーヒーを注ぐ(スプーンの場合はコーヒーへ落とす)というのもよくみられるレシピですが、演出以上の意味はないかもしれません。
燃やすとアルコールと一緒にコニャックの良い香りが飛んでしまうので、飲み物として味と香りを楽しむなら燃やさないほうのレシピで作りましょう。
コニャックの持つ複雑で上品な香りが、コーヒーの苦味や酸味を引き立て、大人の味わいを楽しめます。
カフェ・グロッグ
材料
ホットコーヒー | 150ml |
---|---|
ラム | 15ml |
砂糖 | 適量 |
バター | 5g~10g |
作り方
- 温めたカップにラムを注ぎ、砂糖をそっと入れる
- 熱いコーヒーをそっと注ぐ
- バターを浮かべる
コーヒーにバターという一見奇妙な取り合わせのカクテルですが、一度試してみるとそのまろやかなおいしさにびっくりします。
コーヒーはちょっと苦味のあるものの方が、バターと良く調和してくれます。
ラムの甘い香りとまろやかな口当たりは、リラックスしたい夜の飲み物として最適。
カフェインで眠れなくなってしまうという人は、ディカフェのコーヒー豆を使用すると眠る前の一杯、いわゆるナイトキャップとしても飲めてよいかもしれません。
アマレットカフェ
材料
ホットコーヒー | 100ml |
---|---|
アマレット | 10~15ml |
作り方
- カップにホットコーヒーを淹れる
- アマレットを入れ、軽く混ぜる
アマレットはアーモンドのような香りを持った、アンズの種から作られるリキュール。
香ばしいかおりが、コーヒーの香味をいっそう引き立ててくれます。
アマレットの量を控えると、カクテルではありますがあまりアルコール度数の高くない、アルコールが苦手な方にもおすすめの飲み物になります。
逆にあまりたくさん入れてしまうと、香りが強くなりすぎるだけでなくちょっと苦味も出てしまうので注意しましょう。
ミルクを少量加えるとまろやかになり、雰囲気がだいぶ変わるのでそちらもおすすめです。
クリスティーナ
材料
エスプレッソ | 30ml |
---|---|
グラッパ | 20ml |
カンパリ | 20ml |
ミルク | 20ml |
作り方
- グラッパ、カンパリ、エスプレッソをグラスとは別の容器で混ぜ合わせる
- タンブラーに氷を入れ、1を注ぐ
- よく混ぜて冷やしたら、グラスに注ぐ
- ミルクをそっと注ぐ
ここからはエスプレッソを使用したレシピです。
こちらは本来はシェイカーを使用して混ぜたいところですが、普通のご家庭にはシェイカーはあまりないかと思いますので、別の容器で混ぜて、その後氷に注いで冷やし、最後にグラスに注ぐ、という手順をとっています。
ミルクフォーマーがあれば、最後のミルクは軽くホイップしてあげたものの方がきれいに仕上がるようです。
ただし、エスプレッソマシンを使用してスチームしてしまうと温まってしまって使用できませんので注意しましょう。
アルコール度数がかなり強めで、エスプレッソの香りと味を個性派のお酒たちがしっかりと受け止めた、満足度の高いカクテルとなっています。
アモーレ
材料
エスプレッソ | 30ml |
---|---|
アマレット | 60ml |
ミルク | 20ml |
作り方
- アマレットを温め、同じく温めてあったグラスに注ぐ
- エスプレッソを注いで、軽く混ぜる
- 軽く泡立てたミルクをそっと注ぐ
アマレットを温めて使用する、体が温まりそうなカクテルです。
エスプレッソはアマレットより少量ですが、甘い口当たりのアマレットの味わいを引き締め、苦味や酸味で全体の香りを引き立てています。
アルコールが苦手、という方にはちょっと飲みにくいかもしれませんが、その場合はミルクをスチームドミルクにして、ちょっと多めに入れて混ぜてみましょう。
いわば、エスプレッソカクテルではなく、カプチーノカクテルです。
ミルクの量が増えるほどに、ちょっと杏仁豆腐のような甘くて飲みやすいイメージの飲み物に変わっていくはず。
食後のデザートとしてもぴったりのカクテルといえるでしょう。
ナダール
材料
エスプレッソ | 30ml |
---|---|
ブランデー | 40ml |
バニラアイス | 3~40g |
作り方
- エスプレッソを抽出し、ブランデーと良く混ぜる
- バニラアイスに1を注ぎ、溶かしながら良く混ぜ合わせる
- 全体が均一になったらグラスに注ぐ
アフォガードをゆっくりと食べていると液状になってしまいますが、これはその液化したアフォガードをお酒にしたようなカクテルです。
混ぜたときにアイスが残っていても、飲んでいるうちに溶けてしまいますが、せっかくですのできれいな状態で注ぎたいところ。
バニラアイスの味によってもおいしさが左右されてしまいますので、ちょっと贅沢をしていつもより高級なアイスで作ってみましょう。
使用するお酒はブランデーが基本ですが、ゴールドラムを使用してもおいしいかもしれません。