東ティモール

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東ティモールの基本データ
国名 東ティモール民主共和国
首都 ディリ
人口 約110万人
国土面積 約1.5万k㎡
地域 アジア
栽培されている主な種 ロブスタ種アラビカ種
主な処理方法 ドライ(ナチュラル)、ウォッシュト
生産量 約1万t
主な生産地
代表的な商品名 ティモール、ティピカ

東ティモールは、東南アジアに位置する共和制国家です。
ポルトガルの植民地支配の後、インドネシアによる支配と度重なる反乱・武力衝突を経て、2002年にようやく独立を果たし、「今世紀初の独立国」となりました。
その後はいくつかの混乱があったものの、国連軍の介入もあり徐々に情勢も落ち着いてきており、石油や天然ガスの輸出によってGDPも急成長を見せていますが、貧富の差が非常に大きく、国民の半数以上が貧困層であるとする統計もあります。
そのため各種NPOなどが支援活動にはいっており、コーヒーに関してはフェアトレードが盛んになっています。

東ティモールでコーヒー栽培が始まったのは19世紀初頭、ポルトガル植民地時代とされています。
その後、戦争やコーヒー価格の下落なども乗り越え巨大プランテーションによる生産なども行われていましたが、インドネシア軍によるコーヒー産業の独占と放置によって産業全体が鎖国状態に。
2002年の独立以降は自由な生産・販売活動ができるようになっているものの、機材も知識も技術も追いついていないのが現状です。
NGOやNPOはこの状況を改善すべく、フェアトレードによる生産者保護と、その販売益で新しい機材を導入したり最新の情報を伝えて競争力のある商品を生産できるよう支援する活動を行っているとのこと。
日本からもピースウィンズ・ジャパンなどのNPOが参加しているようです。

東ティモールでは、20世紀半ばにアラビカ種とロブスタ種の自然交配によって「ティモール・ハイブリッド」という新種が生まれ、サビ病に対する耐性から全世界に広まりました。
現在、特に中南米でよく栽培されているカティモールやサルティモールなどは、ティモール・ハイブリッドとの交配品種です。
これらは、一般的なアラビカ種と比べると風味などの点で劣りますが、その耐病性生産性の高さから多くの土地で採用されています。

かつては「フェアトレード関係のコーヒーはおいしくない」などと言われていましたが、 長年のNPO活動により徐々に設備や知識が行き渡るにつれ、品質も向上してきているようです。
そもそも東ティモールは気候や標高などの環境的にはコーヒー豆の栽培に適した土地で、しかも貧困のため化学肥料や農薬を使用することができず、収穫や処理に使用する機材もほとんど整備されていないため、現在でも無農薬有機栽培でていねいな手作業で生産されています。
今は政府からの援助などもほとんどない状態となっていますが、これから国が発展していくにつれてエネルギー産業以外にも力を入れるようになってきたなら、コーヒー産業に対しても追い風となるかもしれません。
今はちょっとだけ特別なもののように見られる東ティモール産のコーヒーが、他の大生産地と同じように当たり前になるのも、そう遠くないかもしれませんね。

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