ドミニカ共和国の基本データ |
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国名 | ドミニカ共和国 | |
首都 | サントドミンゴ | |
人口 | 約1010万人 | |
国土面積 | 約4.9万k㎡ | |
地域 | 北アメリカ | |
栽培されている主な種 | アラビカ種 | |
主な処理方法 | ウォッシュト | |
生産量 | 約1.6万t | |
主な生産地 | バラオナ | |
代表的な商品名 | ドミニカ、マラゴジペ |
ドミニカ共和国は、西インド諸島内のイスパニョーラ島東部に位置する共和制国家です。
ヨーロッパからアメリカ大陸への移住の際に最初に拠点となった土地であり、スペインによる過酷な植民地支配や奴隷制労働の舞台となった島でもあります。
独立の経緯や隣国ハイチとの対立などから長らく紛争にさらされてきた国であり、独裁や内戦など政治的な問題の歴史も抱えています。
しかし、金をはじめとする各種金鉱資源に恵まれる土地を持ち、近年は観光産業なども盛んになっていることから、北米諸国の中では裕福な国とされています。
コーヒー栽培は独立後、カリブ海諸国ではじめて開始されました。
広域に分布する1000~1500m級の高地や昼夜の寒暖差、豊富な雨量など、環境面では非常に恵まれつつも、ハイチと同じように度重なる戦争や他国の干渉、ハリケーンなどによって産業面で被害を受け、現在は目立たない規模での生産に留まっています。
また、国内消費量が多いため輸出される割合が少なく、アラビカ種が多い割りにあまり知名度も高くありません。
ただ、現在は他国からの品質向上のための教育や研修が始まっており、徐々に状況が変わってきているとのこと。
なかには、あのブルーマウンテンと見分けがつかないといわれるほど特徴や品質の似通ったものも出てきているそうなので、近い未来には評価も大きく変わっているかもしれません。
ドミニカでのグレード分けは、大きく「生産地」と「スクリーンサイズ」に分類されます。
生産地ではノロエステ地区、シバオ地区、シエラオクシデンタル地区、シエラセントラル地区、シエラスール地区、ネイバ地区、バラオナ地区に分けられ、それぞれの地区ごとに異なった特徴を持っています。
スクリーンサイズはAAAを最大とし、以下、AA、A、AB、Bとサイズが下がっていきます。
一般的な評価と同じように、基本的にスクリーンサイズが大きい方が等級が高いとされています。
カリブ海周辺のコーヒー豆は、平均的に特徴的でやわらかな酸味と豊かな香りを持っているとされますが、ドミニカ産のコーヒーも例外ではありません。
もっとも高い品質のものはそれに加えて柔らかながらしっかりとした甘みもあり、全体に調和したまろやかな味わいです。
ブルーマウンテンのようなすばらしい香味を持ちながら(今のところ)手ごろな価格で取引されることの多いドミニカ産は、是非一度試してみるべきコーヒーといえるでしょう。