コンゴの基本データ |
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国名 | コンゴ民主共和国 | |
首都 | キンシャサ | |
人口 | 約6800万人 | |
国土面積 | 約234.5万k㎡ | |
地域 | アフリカ | |
栽培されている主な種 | ロブスタ種、アラビカ種 | |
主な処理方法 | ドライ(ナチュラル)、ウォッシュト | |
生産量 | 約3.1万t | |
主な生産地 | 北キブ州 | |
代表的な商品名 | コンゴ・キブ |
コンゴ民主共和国は、中央アフリカに位置する共和制国家です。
西側にある「コンゴ共和国」と紛らわしいのですが別の国で、日本では1997年までの国名「ザイール」のほうが通りがいいかもしれません。
ベルギー国王私有地だった時代から搾取や争いが絶えず、現在でも一部の地域では重大な人権侵害行為が横行しているとされますが、同時に議会が機能している民主主義国家です。
世界最貧国の一つとして数えられつつも、各種鉱石や原油など鉱業を中心とした産業は全体的に活発で、音楽などの文化も育まれています。
250以上の民族が公式に認められており、紛争や疫病、貧困を原因とした死亡率の高さが目立つにもかかわらず、人口の増加率は世界的に見ても高いという、活力のある国でもあります。
コーヒー栽培は主に北東部の南北キブ州、マニエマ州、そして首都・キンシャサに近いバンドゥンドゥ州、バ・コンゴ州付近で行われています。
コーヒー生産は鉱業に比べるとGDPや輸出総額に占める割合はわずかですが、19世紀から続けられている伝統的な産業の一つです。
長引く内戦などによって衰退しつつありましたが、現在は人々の自立を促し重度の貧困から脱却するための手段として各種支援組織によって産業の回復が進められつつあり、近年では生産量で上位30カ国に数えられるまでになってきました。
従来はロブスタ種の割合が多かったのですが、近年の買い取り価格の変動やサードウェーブの影響によるスペシャルティコーヒーの需要の高まりに合わせて、アラビカ種の栽培が増えてきています。
アラビカ種の割合はしばらく増え続けるだろうと考えられていますので、スペシャルティコーヒーの世界において、コンゴが存在感を増していくことが予想されます。
コンゴコーヒーはクオリティによってグレードが分けられ、キブ2~キブ7までの6段階に分類されます。
キブ2、キブ3は「プレミアム」とも呼ばれ、スペシャルティコーヒーの区分となっています。
ちなみにブラジルの格付けと同じように、グレードに「1」の区分がありません。
これは、コーヒーが農産物である以上完璧な製品は存在しない、という理由からであるとされています。
かつては貧しさから処理用の機械や設備を導入できず、石臼で果肉を除去していたとさえ言われるコンゴですが、現在は欧米諸国を中心としたフェアトレード団体などの支援もあり、近代的なコーヒー栽培が推し進められています。
コンゴ産コーヒー豆はアフリカらしい豊かな香りが特徴で、コクの奥にわずかにのぞく酸味が南国のフルーツの印象も持つ、ワイルドなおいしさを楽しめるとのこと。
栽培技術や設備が整うにつれてさらに品質が向上していく可能性も高く、これからが楽しみな生産地であるといえるでしょう。