マレーシアの基本データ |
|
|
---|---|---|
国名 | マレーシア | |
首都 | クアラルンプール | |
人口 | 約2930万人 | |
国土面積 | 約33万k㎡ | |
地域 | アジア | |
栽培されている主な種 | アラビカ種、リベリカ種 | |
主な処理方法 | ウォッシュト | |
生産量 | 約1.7万t | |
主な生産地 | ― | |
代表的な商品名 | マレーシア、エレファント |
マレーシアは、東南アジアに位置する立憲君主国家です。
世界的にも稀なことに、世襲制ではなく選挙制でしかも任期がある国王を元首とし、行政は内閣と共同で行います。
イギリスの植民地支配を脱した後は、いくつかの反乱やシンガポールとの政治的対立などはありつつも基本的に平穏な時代が続いており、工業化に成功したこともあり順調な発展を続けている国とされています。
イギリス植民地時代にはコーヒー産業が盛んで、サビ病が世界的に大発生した際にはコーヒー価格の高騰もあり爆発的に農園が増えたこともありました。
しかし、もともとコーヒー栽培に適さない土地にまで農園を作った結果経営が赤字になるケースが多発。
また、投資した資金を回収できるようになるまでの期間が長いことや、スズなどの鉱業が盛んになったこともあり、コーヒーはゴムの栽培に取って代わられてしまいました。
現在でも生産量はあまり多くはありませんが、近年のスペシャルティコーヒーやサードウェーブの影響から、良質なコーヒー栽培にチャレンジし始める農園が少しずつ出てきているようです。
マレーシアはイギリスや中国、日本との関係が緊密で、特に中国から渡った華僑の影響を強く受けている部分が多いとのこと。
経済的な有力者に中華系の人物が名を連ねている他、飲食などの文化にも影響を見て取ることができます。
マレーシアでよく飲まれている「ホワイトコーヒー」もそうした中華系文化の影響を受けた飲み物のひとつとされています。
これは、コーヒー豆の焙煎時に砂糖とマーガリンを一緒に<ローストしたもので、独特の香味が加わるとのこと。
ホワイトといっても見た目が白いわけではなく、一般的なマレーシアコーヒー(大量の砂糖、マーガリン、小麦粉などと一緒に焙煎する)に比べて、コーヒー以外の原料をあまりいれていない、という意味だそうです(中国では「白」は「無添加」「まっさら」のような意味)。
高級なものでは、砂糖のかわりにコンデンスミルクを使用することもあり、全体的に苦味のあまりない、マイルドで甘い味わいが特徴です。
マレーシアの一部では、世界的に珍しいリベリカ種の生産が行われています。
これは、かつてサビ病が大流行した際に耐病性が強いリベリカ種が多く残ったからとされており、さらにその後コーヒー産業自体が衰退したためロブスタ種への植え替えがなされなかったためでもあります。
マレーシア産のリベリカは「エレファントコーヒー」というブランドで良く知られており、(もともと生産量の少ないマレーシア産の中でもさらに貴重なレベルではありますが)日本にも少量輸入されているようです。
深煎りにするとどっしりとしたコクが生まれ、後味に香ばしさをまとった甘みも感じられるとのこと。
かなり根気よく探し続けないとなかなか出会えないレベルではありますが、普段とはちょっと違う味わいを求めている方はチャレンジしてみてもいいかもしれません。