コスタリカの基本データ |
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国名 | コスタリカ共和国 | |
首都 | サンホセ | |
人口 | 約458万人 | |
国土面積 | 約5,1万k㎡ | |
地域 | 北アメリカ | |
栽培されている主な種 | アラビカ種 | |
主な処理方法 | ウォッシュト、ハニー(パルプトナチュラル) | |
生産量 | 約7.7万トン | |
主な生産地 | タラス、セントラルバリー | |
代表的な商品名 | コスタリカ |
コスタリカは北アメリカに位置する共和制国家です。
中南米諸国の中では例外的に政治的安定が続き、農業、工業の発展から経済的も豊かな国として知られています。
近年は南アメリカからの麻薬の流入などの問題が発生していますが、犯罪率の増加に負けず観光客数も増加するなど国際的な高評価をキープしているようです。
コスタリカは自国のコーヒー産業に並々ならぬ高いプライドを持っており、クオリティを保ち高い評価を得続けるためにさまざまな施策を続けています。
そのもっとも顕著な例が1988年に定められた「アラビカ種以外のコーヒーノキを栽培してはならない」という法律です。
コスタリカ産コーヒーの価値を下げないため、また意図しない混交から品種の確実性に問題を起こさないために、価値の低いロブスタ種などの栽培が禁止されているのです。
また、ウォッシュトプロセスの際に出る大量の排水が環境汚染の原因となっているとして、国立コーヒー協会研究所(CICAFE)が中心となって水量制限や濾過設備の設置などを進め環境保全に努めるなど、産業全体の品位を向上させる取り組みも行っています。
生産者の保護についてもおろそかにはされておらず、CICAFEからの技術指導や政府の援助はもちろん、世界でも稀な試みとして地域ごとにマイクロミル(小規模処理場)の設置が進んでいます。
これにより小さな農園でも自分自身で生産処理を行うことができ、特定の品種を栽培したり品質を高めたりして差別化を行い、独自に高価値な商品を生み出すことができるのです。
特に新たにコーヒー栽培を始める若い世代にとって、参入しやすい体制になっているといえるでしょう。
当然、これほど力を入れて栽培・生産しているコーヒー豆を、不当に安く販売したりはしません。
コスタリカコーヒーの過半数はスペシャルティコーヒーとして販売しているとも言われており、特にアメリカやヨーロッパからは熱心なバイヤーが自国のファンたちのために現地を訪れています。
その結果、国際的な評価の高さとは裏腹に日本国内ではまだあまり知名度が上がっておらず、稀に見かけたとしてもかなりの高値がついているケースも珍しくないようです。
コスタリカでは標高と、太平洋側斜面か大西洋側斜面かでグレードが分けられており、太平洋側ではSHB(STRECITY HARD BEAN/標高約1200m以上約1650m未満)、GHB(GOOD HARD BEAN/標高約1000m以上約1200m未満)、HB(HARD BEAN/標高約800m以上1000m未満)。
太平洋と大西洋の間はMHB(MEDIUM HARD BEAN/標高約500m以上1000m未満)。
大西洋側はHGA(HIGH GROWN ATHLANTIC/標高約900m以上)、MGA(MEDIUM GROWN ATHLANTIC/標高約600m以上900m未満)、LGA(LOW GROWN ATHLANTIC/標高約150m以上600m未満)と分類されます。
他の国に比べるとちょっとややこしいですが、斜面のどちら側かで日照量やタイミング、降雨量なども変わってくるはずなので、ある意味合理的な格付けといえるかもしれませんね。
前述の通り、日本ではなかなか見つけられないうえ高価なことが多いコスタリカ産ですが、しっかりとしたこだわりの元で厳格に管理されているだけあり、品質は非常に高いものが多くなっています。
全体的にボディのしっかりとした芳醇な香味を持つものが多く、産地によって酸味や苦味、香りの種類が異なります。
味の密度が濃いためか、焙煎度合によって雰囲気ががらりと変わるものもあり、同じ豆でも様々な魅力を味わうことができるとされています。
生産国が一丸となってプライドをかけて磨き上げた味わいは、通常より高価であっても試してみる価値があるといえるのではないでしょうか。