ボリビアの基本データ |
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国名 | ボリビア多民族国 | |
首都 | スクレ(ラパス) | |
人口 | 約990万人 | |
国土面積 | 約109.9万k㎡ | |
地域 | 南アメリカ | |
栽培されている主な種 | アラビカ種 | |
主な処理方法 | ウォッシュト | |
生産量 | 約2.8万t | |
主な生産地 | ユンガス、サンタ・クルス | |
代表的な商品名 | ボリビア |
ボリビアは、南アメリカに位置する共和制国家です。
相次ぐ周辺国との領地争いに敗れたため全盛期の半分ほどになってしまいましたが、それでも日本の3倍以上という広大な国土を誇ります。
独立以降類を見ない頻度で繰り返されるクーデターや各国との戦争という内外両面からの問題に悩まされつづけており、非常に不安定な情勢が続いています。
世界最大規模のリチウム埋蔵地であるとされるウユニ塩原を有するなど、主に鉱物系資源に恵まれていますが、政治不安や技術不足などから採掘は進まず、南米でももっとも貧しい国の一つに数えられます。
1950年以降は農地改革などの影響もあり、コーヒー栽培が盛んに行われていました。
流通経路や教育の不足などの不安要素はあれど、産出されるコーヒー豆の質が平均的に高く、理想的な環境と広大な国土から、将来的に大規模で良質なコーヒー産地になりうる可能性を持つとみなされ、海外から積極的な支援や資本が提供されていたようです。
しかし近年、最大の援助国であったアメリカとの関係が悪化し、それにともないコーヒー産業自体もやや停滞気味となっています。
2004年からはカップオブエクセレンス(COE)も開催されていましたが、アメリカからの資金が途絶えたことから2010年から中止され続けており、再開のめども立っていません。
またコーヒー生産者自体も、手間がかかる上に品質が上がらなければ価格的にもあまり魅力のないコーヒーより、手軽で生産性の高いコカの栽培に鞍替えするケースが目立つようになってきており、2010年以降はコーヒー生産量は右肩下がりに減少を続けています。
(ボリビアの特に高地では伝統的にコカの葉を煮出したコカ茶を飲む習慣があり、非合法ながらコカインの生成・密売も横行していることから、コカの国内での需要や買取価格が高いとされています)。
しかし、それでも大半のコーヒー農園では今でも品質にこだわったコーヒー作りを続けており、COE開催時代に確立された品種ごと、品質ごとの少量での取引(マイクロロット)も継続されています。
ボリビア産のコーヒーは、他の有名産地に比べて際立った特徴があるわけではありませんが、酸味、苦味、そして香りのバランスが非常によく、産地ごとに異なる様々なフレーバーを持っているとのこと。
特に中煎り付近ではなやかな印象を持つものが多く、花やナッツ、チョコレートなどに例えられることが多いようです。
現在はブレンドに含められることが多いようですが、単独でじっくりと楽しむのにも適したコーヒーと言えるでしょう。
コカの栽培は(国際的な指導もあり)政府としても縮小する努力をしているということですので、今後この流れが変わり、またすばらしい品質のボリビアコーヒーがたくさん生産されるようになることを期待しましょう。