格付けに使用される条件|コーヒー豆の格付けについて1

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格付けの基準は各生産国ごとに異なりますが、おおむね標高、欠点豆の数、スクリーンサイズ(粒の大きさ)のいずれか、もしくはそれらの組み合わせになっている所が多いようです。

コーヒーノキが育つには、一年の一番寒いときでも霜が降りたりしないレベルの温暖な気候が必要ですが、同時に高品質なコーヒーに育つためには昼夜の寒暖差が重要になってきます。
また、まとまった雨量が頻繁に降りつつも、病害を避けるため必要以上に湿度が高くならない環境も、健全な育成には不可欠と言われています。
そのため、特にアラビカ種のコーヒーについては高地ほど栽培に適した環境になるとされ、格付けにも取り入れられている国が多くなっています。

未熟豆発酵豆虫食い豆などの欠点豆は、少量でもコーヒーの味を損なう原因になります。
そのため、収穫から生産処理、出荷に至るまでの工程の間に、何度も選別にかけて取り除かれることになっていますが、いかに機械や人の手で取り除こうとも完璧な分離は不可能です。
もちろん、購入先のロースターがさらにハンドピックを施すことで、最終的に消費者が飲むコーヒーからは欠点豆はほぼ取り除かれることになりますが、欠点豆の数が多いとハンドピックにより手間がかかるようになり、取り除いた後の正味量も減ってしまいます。
そのため、欠点豆がどの程度含まれているか、作業間の選別をどのように、何度行ったかを格付けの基準にしている国があるのです。
大抵の場合は、基準数量内にどの程度欠点豆が含まれているかで判別しますが、その基準量自体や、割合なのか個数なのかはやはり国によって違うようです。

コーヒーは農作物なので、同じように育てていても、または同じ木から収穫されたコーヒー豆でも、生育の度合いには差が生じてしまいます。
そのため、生豆を目のサイズの決まったスクリーン(ふるい)にかけて、粒の大きさをある程度そろえて規格ごとに格付けを行う国もあります。
当然、通常の農作物と同じように、栄養が行き渡りよく育ったものの方が良いとされるため、スクリーンサイズは大きいほうが格上ということになります。
ただし、あまり以上に大きいものは味や香りがぼやけてしまっていることが多く、嫌われるケースもあるようです。

生産国によっては、上記のどれにも当てはまらないような独自の格付けを行っていることもあります。
生産される地域や欠点豆を選別する手法など、経験則的に品質の高低を判断してきた結果として根付いているような条件のものが多く、客観的なデータから判別する方式とは一線を画すと言えるでしょう。

言うまでもなく、これらの格付けは商取引上の必要から生まれているケースがほとんどで、たとえ最終的にプロのカッパーがクオリティをチェックしているものであっても、それを消費者自身がおいしいと思うかどうかとは別の問題です。
格付けの高低はどのコーヒーを選ぶかの基準にはなりますが、グレードが上だから絶対おいしい、というわけではないのです。
これらの指標をもとにいろいろなコーヒーを試し、自分自身の判断基準や価値基準、そしてお気に入りを決めていくべきといえるでしょう。

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