物件を探す|カフェを始めるには④

物件を探す

物件を探す

物件探しも、カフェの成功・失敗を決める重要な要素のひとつです。
特に立地条件を間違えると他をどんなに頑張っても取り返しのつかない致命傷になりかねませんので、時間をしっかりかけて確認し、見切り発車にならないようにしたいですね。

探し方としては、まず自分の作りたいお店のコンセプトや必要集客数などから出店条件を考えます。
例えば、学生が長時間勉強する場所として利用できるカフェにするなら、通学路近くの目立つ場所にお店を構える必要がありますし、定年後のリタイア世代をターゲットとするなら年齢層が高い住宅街や年配の方が来店しやすい立地でなければいけません。

小さなお店である程度以上の客数が必要であれば、人が入るだけでなく回転数を上げねばならないため、ビジネスマンが打ち合わせに利用しやすい場所や駅の近くなどが向いているかも。
こうした条件に合う中から、さらに「自分のお店がここにあったらうれしい」という場所を選び出して候補地とします。
この時点ではあまり絞り込まず、できるだけ多くの候補があったほうがよいでしょう。

候補地が決まったら、ひとつずつ実際に行ってみて周辺情報を視察します。
事前に考えていた条件に本当に合うかどうかを中心に、周辺の客層、人が多くなる時間帯・少なくなる時間帯、朝・昼・夜の一日の変化や周囲の環境などをチェックしていきます。
駅は近いけどあまり利用している人がいない、学校は近いけど学生が出歩くエリアが限定されていてそこをはずれるとあまり人が来ない、夜になると思ったより治安が悪い、など想定外の条件がいくつも見つかることも少なくありません。

コンセプトや必要条件からあまり外れてしまうエリアに無理やり出店してもいいことはありませんので、条件を満たせない場所は候補地から除外します。
逆にあまりに好条件が整っていると、今度は近くにカフェや飲食店がいっぱい、という問題があるケースも。
あまりに同業者が多い場所にお店を構えても、競争に打ち勝つ戦略がなければ集客は望めないでしょう。
また、街自体はにぎわっていても、一本裏にはいったりちょっと陰になっているだけで全然人が入らないケースもあります。
エリアだけで漠然とチェックしていると、予定が大きく狂ってしまう恐れもあるので、しつこいくらいに入念に確認しましょう。

ある程度エリアが絞れてきたら、実際に店舗として入居する物件を探していきます。
資金や時間が潤沢で更地にいちからお店を建てる、という例外的な状況を除けば、基本的に不動産屋さんなどを通してすでにある事業用の物件を借りることになります。
下見をしているときに見かけたよさそうな空き店舗に管理者の電話番号などが表示してあれば、電話をかけて見せてもらったり条件を聞いたりできます。
もし具体的な物件が見つからなくても、不動産屋さんで候補地やお店の規模、賃料などの条件を伝えれば、該当する物件をいくつか見せてもらうことができるでしょう。

ただ、準備や計画がかなり進んだ状態ですぐに契約できるなら別ですが、始めの段階ではそこまで進めるケースは稀です。
今は空いている店舗も、すぐに押さえることができない状態であれば他のお店に取られてしまうことも十分ありえます。
特に条件の良い立地や賃料の物件は奪い合いになっているケースが多いので、あまり具体的に絞り込んでしまうと精神的に大ダメージ、計画もやり直し、ということにもなりかねません。
準備が整って契約ができる状態でなければ、あくまで賃料や条件の確認程度と考えたほうが良いでしょう。

実際に物件を見せてもらう場合は、立地条件や広さなどはもちろん、建物の築年数や設備の状態、借りるための条件などを細かくチェックします。
物件によっては更新期間が短く設定されていて、家主の都合で短期間で退去させられたり定期的に更新料が必要になる場合も。
内装や設備に手を加える場合、退去時には元の状態に戻さなければならなかったり、店舗の外観に対して注文がつくケースもあります。
飲食店である以上、上下水道を中心とした衛生状態のチェックも不可欠でしょう。
自家焙煎を行うのであれば、排気はどこから行うか、営業時間以外に焙煎器を動かせるかどうかもチェックが必要になります。 こうした注文をあげていけばきりがありませんが、実際には資金との兼ね合いもあるため、妥協せざるを得ない部分も多くなってきます。
事前に練り上げたコンセプトやイメージをしっかり確認し、折れても良い部分と譲れない部分をしっかり把握しながら検討しましょう。

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