広告を打つ|カフェを始めるには⑦

広告を打つ

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資格も取って届け出も済ませ、あとはオープンの日を待つばかり、となると、ついつい内装のチェックやコーヒーの練習など内側にばかり目が向いてしまいがちですが、まだ最後の大事な開店準備が残っています。
それは、「宣伝」です。
これはオープン後も続けていかねばならないことではありますが、オープン直前はその後しばらくの営業に大きな影響を及ぼすもっとも重要な宣伝期間であるといえます。
大変な思いをしながら開店準備をしていると、自分の意識が常にお店に向いているため、他の人からの認知度について過大に評価してしまいがちですが、利用者からすれば開店準備をしているカフェなど日常的な風景のひとつでしかありません。
効果的で印象に残る宣伝をうっておかなければ、イメージするような集客は難しいでしょう。

宣伝は「ターゲットとする客層」に向けて発信し、「来店を促すレベルで興味を引き」かつ「オープン時まで印象に残り続ける」必要があります。
若いビジネスマン向けのコンセプトで内装や機能を決定しても、宣伝が学生や主婦層にしか届かなければターゲット層の興味を引くことはできません。
近隣のお年寄りにアピールできるメニューを開発したのに、宣伝が遠方の若い人向けでは効果は上がらないでしょう。
お店付近へ向ける宣伝も、近くに住んでいる人向けか通勤通学で通りかかる人向けかで内容は大きく変わってくるはずです。
最初に決めたコンセプトから、どんな人に利用して欲しいか、その人たちにどんなメリットをアピールできるかを考え、効果的に届けるための手段と宣伝の内容を考えていきます。

宣伝の手段と特徴としては、以下のものが考えられます。

  1. 店頭の看板、張り紙

「いついつオープン!」「こういうコンセプトのお店です!」といった重要な情報を簡潔にわかりやすく掲示します。
お店の名前や細かい文字での説明なんかは、来店してもらってから読んでもらえばよいので控え目な表示でかまいませんが、気軽に来店してもらうため簡単なメニュー(金額の分かるもの)はあったほうがよいでしょう。
近くを何度も通りかかる人に向けた効果が期待できますので、近隣の住人や通勤通学で通る人へアピールしたい場合に向いています。
アットホームなコンセプトのお店であれば手作りの看板や張り紙でもかまいませんが、おしゃれなカフェのイメージを強く推し出す場合やより効果を高めたい場合には、デザイナーに依頼する必要があるかもしれません。
その分費用はかかりますが、上手なデザインはイメージの残りやすさや集客力を数段アップさせてくれます。

  1. チラシ

店頭張り紙と同じように、重要な情報のみを簡潔に表示します。
店頭用とは違ってわかりやすい地図や営業時間も必要です。
近所の一般家庭にポスティングしたり、他業種のチラシコーナーに掲示してもらいます。
最近は印刷時に追加料金を支払うことで、ポスティングまで代行してくれるサービスもありますので、時間がなく資金に余裕がある場合は利用しても良いかもしれません。
常連客として見込みやすい近隣層へアピールすることができ、物理的に長時間手元に留まることで強い影響力を期待できますが、他の方法に比べると費用がかさみやすいため費用対効果が薄いというデメリットもあります。

  1. 割引券

チラシに付けたり店頭で配ったり、クーポン雑誌に掲載してもらうことで来店を誘います。
ただのチラシに比べて手元に残る確率が高くなりますが、印刷代など以上に使用された場合の利益の圧縮でコストがかかりますので、配布する枚数や使用期限はよく考えて決めるべきでしょう。
「一度来店して味わってもらえば、気に入ってもらえるはず」という自信のある場合には効果的な販促方法と言えます。
お得感に敏感な主婦層や年配層へのアピールに向いています。

  1. ホームページ

コンセプトやメニューなどをチェックできるページを作ります。
かなり広範囲に向けた宣伝になるため、公共交通機関を使用してでも行ってみたい、となるような顕著な特徴でもなければ直接的な集客には向かないかもしれませんが、口コミサイトやまとめサイトで取り上げられたり地域名で検索をかけた場合にヒットするようになり、偶発的な来客を誘引できます。
また、近隣の人でも営業時間や定休日のチェックに使用するケースもあるため、以外とおろそかにはできない分野といえます。
あまり頻繁に更新する必要はありませんが、SNSやブログを使用している場合はリンクを張ることで相互に効果を高めることができます。

  1. SNS、ブログ

TwitterやFacebook、LINEなどのSNSサービスを利用したり、ブログを書いて情報を発信します。
ホームページと同じように偶発的な誘引効果が期待できるほか、親近感を持ってもらうことで初来店へのハードルを下げることができます。
お店のコンセプトなどを説明することで、そこに魅力を感じる(=お店と相性の良い)お客さんを選択的に惹きつける可能性も高まります。
ただし、あまり過激な発言を繰り返していると反感を買って客離れの原因となることもあるので、発信する内容には気をつけたほうが良いかもしれません。
日常的にインターネット上の情報を利用する若年層へ向けた宣伝として利用できます。

理想のカフェづくりのための第一歩。まずはコンセプトノートからはじめてみましょう

ここまで見てきたように、自分でカフェを作るということは想像以上に大変なことだといえます。
お金や時間は莫大にかかりますし、考えなければいけないこと、勉強しなければいけないことは無数にあります。
そのうえ、現実はなかなか理論や計算の通りには動いてくれません。
ようやく開店にこぎつけても、半数以上のお店が数年で閉店してしまう、というデータもあります。

でも、その苦労を乗り越えて自分の理想のカフェが完成したくさんのお客さんに喜んでもらえるとしたら、そしていつの日かそのカフェで、かつてのあなた自身のようにコーヒーの奥深い魅力に気付く人が現れるとしたら、これほどやりがいのあるチャレンジはなかなかないと言えるのではないでしょうか。
確かに困難ではありますが、少しずつでも計画していれば、いつかチャンスが訪れるかもしれません。
千里の道も一歩から。
まずは、コンセプトノートからはじめてみるのはいかがでしょうか。

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