Point6:お湯の注ぎ方2(場所)
ポットからお湯を注ぐとき、どこに注ぐべきか、というのはよく議論にのぼるテーマといえます。
これも説によってまちまちではありますが、いくつか基本となる考え方があるようです。
まず、ドリッパーが基本的に下に向かってしぼんでいく形状をしている、ということを意識してみましょう。
これはつまり、上から見て中心に一番コーヒーの粉が密集しており、外にいくにつれて粉の量が少なくなっていく、ということです。
抽出の目的は「コーヒーから成分をお湯に溶け出させる」ということですから、できるかぎりこの密度の濃い部分を通ってもらわねばなりません。
そのため、あまり中心から離れた位置にお湯の通り道ができるという状況は、避ける必要があります。
お湯を注ぐ際に一番最初に真ん中から注ぎ始めるのも同じ理由で、最初に外周近くにお湯を落としてしまうと後から注いだ分もすべてその時の道を通ってしまうようになるからです。
同じ理由で、フィルターに直接お湯をかけるのも避けるべきです。
フィルター付近に付着した粉が気になるからか、フィルターを洗い流すようにお湯をかける方が時々いますが、そうするとフィルターに沿ってコーヒーの流れる道ができてしまいます。
粉に触れずに落ちる、もしくは触れている時間が短いお湯が増えれば増えるほど、味も香りも薄いコーヒーになってしまいます。
また、フィルターの役割はその名の通り余計な粒子や成分を濾過することです。
特に抽出の終了間際に上部に溜まっている泡には、不必要な苦味や雑味の元となる成分が溜まってフィルターに張り付いています。
ここにお湯を通すと、それらの成分が泡からコーヒーに流れ出してしまうのです。
「全体にお湯を回して、まんべんなく抽出するべき」「中心付近にだけお湯を落とすべき。ポットを回す必要はない」など様々な説がありますが、基本となるのはお湯をコーヒーに行き渡らせること、行き渡ったお湯がコーヒーの中を同じくらいの時間通って下に落ちることです。
これをイメージしながら、自分の好みと使っている道具にあったお湯の注ぎ方を習得していきましょう。
まとめ6
- ドリッパーの中心付近が一番粉の量が多く、外周付近は少なくなっている
- あまり外側にばかりお湯を注ぐと、そこにお湯の通り道ができてしまい薄いコーヒーになる
- フィルターにお湯をかけるとそこにも道ができてしまい、コーヒーを素通りするお湯が出てくるため、できるだけかけないようにする
- 基本をおさえて、自分にあった注ぎ方を探すべき