その時特有の条件|コーヒーノートを作ろう2

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その時特有の条件

ここまでは、コーヒー豆を購入した時点で確定する固有の条件を記載してきましたが、ここからは「一杯ごとに異なる、その時特有の条件」を記入していきます。
具体的には、

  • 淹れた日付、時刻、シチュエーションなど
  • 挽き目
  • 淹れ方、使用する器具
  • 感想

などです。
日付を入れるのは、焙煎日から何日経過したものかをチェックするため。
上手に<ローストされたコーヒー豆は2週間前後にわたって味や香りが変化していくので、他の条件がまったく同じでも別の日に飲むとまったく違う感じ方になる可能性があるのです。
時刻やシチュエーションは、コーヒー側には影響はありませんが、それを味わう人間の気分などに大きな差が生じる項目です。
あわただしい朝にばたばたしながら流し込むコーヒーと、夕食の後にくつろぎながらゆっくり楽しむ一杯では、印象が同じになる方が不思議です。
挽き目は、自分の淹れ方が確立してきた後はある程度固定でもかまいませんが、できれば品種ごと、ロットごとに少しずつ変えて変化を楽しみたいところ。
使用する器具や淹れ方によっても味わいは大きく変わり、豆によっては器具との相性で味や香りがまったく別物のようになるものもあるので、余力があるならできるだけいろいろ試してみましょう。

感想は、始めは単純にその時思ったことをそのまま書いていくだけで十分です。
「ちょっと苦すぎた」
「ものたりない」
「牛乳を足したらばっちりだった」
「トーストに合う」
などなど、ひと言ふた言でOK。

いろいろと試しているうちに、自然と改良点やどの部分がうまくいったか、あるいは失敗したかが分かるようになってきます。
例えば、
「挽き目を一段階粗くしたら、苦味が落ち着いた」
「沸騰直後のお湯を一回でポットに移したら、温度が高すぎてかに泡が出た。苦い」
「ペーパーフィルターの中で、粉がきれいにすり鉢状になっていた。いつもよりクリアな感じがする」
という感じです。
いつもとどの部分が違っていたか、その結果としてどう感じたかを、できるだけ具体的に記入していきます。
あとで見返して復習するのにももちろん使えますが、単に一回ごとにチェックしていくだけでも改善効果が現れてくるはずです。

段々と傾向がつかめるようになってきたら、できれば水温計やキッチンスケールなどを購入してきて具体的で客観的な情報を含めるようにしてみましょう。

「ポットに移した時点で湯温85℃。一回では下がりきらなかったのでキューブアイスを二つ入れた。コーヒー粉の重量は13g。蒸らしの段階からきれいな泡の立ち方だった。期待通りバランスばっちり」
「湯温81℃。火を止めたあと別のことをしていていつもより冷めていたのに、さらにいつもどおりの手順で冷ましてしまったのでちょっと下げすぎた。粗挽きだったので2:20秒で抽出が終了。酸味や香りが際立って苦味はほとんど出ていない。これはこれでおいしいけどちょっと物足りない」
「湯温88℃、コーヒー粉重量12g、挽き目はメモリ4(中粗挽き)。2:45で抽出完了。挽き目に対してやや湯温が高過ぎたか、ちょっと苦い。少しだけ感じるクルミのような渋みとレーズンみたいな香りは好きかも」

具体的な数値を残したり客観的に想像しやすい例えで風味を表現することで、その一回分だけの経験で終わらせるのではなく、他の回と比較することができるようになってきます。
また、自分がどんな味や香りをおいしいと感じるのか、どんな条件のときにその味わいになりやすいのかが分かるようになり、どんな生産国、品種、焙煎度合の豆が適しているのかも判断できるようになります。

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