1ハゼ|焙煎の流れ(自家焙煎の基本)3

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3、1ハゼ

ハゼ」とは、その名の通りが爆ぜる状態を指します。
一旦やわらかくなった生豆をさらに加熱していくと、内部の組織がまただんだん硬くなっていきます。
はじめのうちはやわらかくなった細胞の隙間から逃げていた水蒸気などのガスが硬化した組織の中に取り残され、加熱によって圧力が上昇、豆が内圧に耐えられなくなったところで「パチン」と音を立てて爆ぜるのです。
コーヒー豆の焙煎ではこのハゼが大きく2回起こり、それぞれ「1ハゼ」「2ハゼ」と呼びます。

1ハゼは、豆を攪拌する音に負けないくらい大きくはっきりとした音がします。
全ての豆が必ず爆ぜるわけではないようですが、上手に進んでいればまったくハゼの音がない、ということはないでしょう。
白っぽく見るからに生っぽかった豆も、この時点までにはかなり茶色く色付いてきます。
また、内圧が高まって全体が丸っぽく膨らみ、しわも伸びて、いつの間にかよく見知ったコーヒー豆の色形になっていることに気付くはずです。
実際、1ハゼの前後くらいから挽いて飲むこともでき、1ハゼ直前で止めると「ライトロースト」、1ハゼが起こっている途中で止めると「シナモンロースト」、1ハゼが終了すると同時に止めると「ミディアムロースト」と呼ばれます。
これら三つがいわゆる「浅煎り」とカテゴライズされる豆です。

ただライトローストやシナモンローストでは、一応飲むことはできるもののやはりまだ浅すぎることが多く、通常の方式で入れると生臭かったり青っぽい匂いがしてあまりおいしくはないものが多いようです。
ミディアムローストまでいくと青臭さなどは消えていますが、酸味が強く残り、基本的に苦味を感じない、あまりコーヒーっぽくはない味わいになります。
ミディアムローストは別名「アメリカンロースト」とも呼ばれ、ファーストウェーブの頃アメリカで流行した焙煎度合とのこと。
豆の種類や特徴にもよりますが、あまり時間をかけず一回か二回でさっと落とすと、まるで日本のお番茶のようなさっぱりとした味わいのコーヒーになるようです。

1ハゼが終了する頃には、焙煎器からも良く知っている煎りたてのコーヒー香りが漂ってきているはずです。

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