2ハゼ|焙煎の流れ(自家焙煎の基本)4

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4、2ハゼ

1ハゼ終了からは変化がめまぐるしく、好みの焙煎度合に仕上げるためにはかなり注意深く観察していなければいけません。
特にこのあと始まる「2ハゼ」は、1ハゼに比べると音が小さく、耳を澄ましていないと聞き逃してしまうことも。
2ハゼ周辺に残りの5つのローストが固まっていることを考えると、うっかりしているとほんの少しの違いで全然別の香味に仕上がってしまうことも考えられます。

1ハゼ後、の組織からはさらに水分が抜け続けます。
硬化しきった豆の細胞がさらなる加熱で弱くなり、もろくなった部分がはがれるように爆ぜるのが2ハゼです。
1ハゼのように高い内圧がかからないため、大きな音が鳴らないのです。
この2ハゼと前後して、コーヒーに含まれる成分が熱で変質したり増減するため、他の条件が全て同じでも、止めるタイミングによって味や香りが大きく変わってしまう、ということもありえます。
1ハゼから2ハゼの止めると「ハイロースト」、2ハゼ開始直前~直後に止めると「シティロースト」、2ハゼが起こっている最中に止めると「フルシティロースト」、2ハゼ終了直前~直後に止めると「フレンチロースト」、2ハゼが終了してから止めると「イタリアンロースト」と呼ばれます。
「ハイ」「シティ」「フルシティ」の三つが「中煎り」、「フレンチ」「イタリアン」が「深煎り」です。

中煎りにはいると酸味が落ち着くようになり、いかにもコーヒー、というような爽やかな苦味が感じられるようになります。
また、カラメルっぽい甘みを比較的感じやすいのもこのあたりといえるでしょう。
シティローストは酸味、苦味、甘みのバランスがとりやすく、ほとんどの種類の豆をおいしく飲むことのできる焙煎度合といわれていますので、好みが定まらなかったりいろいろな豆を試してみようと思うのであれば、まずはシティローストを狙う練習をしみるのもいいかもしれません。

さらに焙煎が進むと、突然煙が多くなってきます。
これは、コーヒー豆内部に含まれていたが豆の表面に染み出してくるためです。
火事と間違われるような量は出ませんが、焙煎が急激だとその分煙もいっぺんに出るため、しっかりとした換気が必要です。
半密閉型、密閉型の焙煎器の場合、この煙を排気しそこねると、コーヒーの香味にいぶしたような香りが加わります。
すっきりさせたい場合は排気に気を配る必要がありますが、適度にいぶして特徴をつけるのも好みによっては良いかもしれません。
もちろん、やりすぎると味も香りも台無しになってしまうので気をつけましょう。

2ハゼが進むにつれて、茶色かった豆はつやのある黒へと近付いていきます。
「フレンチ」「イタリアン」までいくと焦げてしまっているのではないか心配になるほど(攪拌に失敗していると実際こげていることも)。
深煎りまでいくと味わいにカラメルのような焦がした苦味が加わり、酸味はほとんど感じられなくなってきます。
しっかりとした深煎りでは、味も香りも若干単純化する傾向があるようです。

加熱で変化するコーヒーの成分のうち、例外的に浅煎りから深煎りまでほとんど変動しないものにカフェインがありますが、イタリアンロースト付近では少しだけ減少するといわれています。
「苦いコーヒーのほうがカフェインが多い」という俗説とは真逆ですが、眠気覚ましには深すぎるローストのコーヒーは適さないようです。

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