6.ドリッパーの真ん中に少量のお湯を注ぎ、豆を蒸らす
「お湯の中でコーヒーの成分を抽出」→「ちょうどいいタイミングで一気に濾過」という手順のサイフォン式やプレス式と違って、ドリッパー式は抽出と濾過を同時進行せねばなりません。
そのため、一気に大量のお湯を注ぐと抽出が終わる前にお湯が通過してしまい、旨みやコクなどが出ないのです。
この工程ではまずコーヒー豆にお湯を吸わせて、抽出のための準備を整えます。
ポイントは、ドリップポットの口をできるだけ低くして粉に近づけ細く少量ずつのお湯を注ぐこと、500円玉くらいの狭い範囲にだけ注ぐことです。
ポットの口を低くすることはお湯のコントロールをしやすくするためだけでなく、勢いがつきすぎてドリッパー内で粉が動いてしまうことを避け、お湯の通り道を安定させるためにも重要で、これ以降の全ての工程にも当てはまる基本になります。
しみこんだお湯はドリッパーの中でじわっと外へ向かって広がりますので、この時点ではまだ広い範囲にお湯を落とす必要はありません。
お湯の温度が適正で上手に注げていると、豆の中に閉じ込められていたガスが解放され、お湯を注いだところがむくむくと膨らんできます。
もしここで、ぱっと見て泡のつぶが分かるような大きな泡、いわゆる「カニ泡」がぽこぽこと上がってくるようであれば、豆の状態に対してお湯の温度が高すぎますので、次回からはもう少し低めに設定しましょう。
この時点ではまだ下にコーヒーは落ちてきません。