アラビカ種の有名な品種:エアルーム系
ゲイシャ
主にパナマのボケテ地区で栽培されている品種です。
20世紀前半にエチオピアで発見されたあと、サビ病への耐病性が高いということで各地で試験的に栽培されましたが、成長速度が遅い上にかなり手がかかり、生産性が非常に悪いということでそのほとんどが中止されてしまいました。
しかし、パナマのエスメラルダ農園では香味が非常に良かったことから栽培を継続。
そしてこのエスメラルダ農園産のコーヒー豆が、2004年に開催されたパナマのカップオブエクセレンスで二位の倍以上の高値で落札されたことで、一気に注目を集めるようになりました。
現在ではゲイシャを栽培する試みが、パナマ国内はもちろん世界各地で再度はじまっていますが、いまのところエスメラルダ産のような高品質なものはでてきていないようです。
柑橘や様々な花、ワイン、そして紅茶に例えられるような、コーヒーとは思えないほど華やかで新鮮な香りが特徴とされており、その独特の香りは「ゲイシャフレーバー」と呼ばれています。
すっきりとした繊細な酸味ともあいまって、コーヒーの香りに対する評価を一変させてしまうほどのその衝撃的な味わいは、高価であったとしても試してみる価値があるといえるでしょう。
ゲイシャ | |||||
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特徴 | コーヒーとは思えないほどの芳醇な香り | ||||
香り | ひかえめ | ややひかえめ | ふつう | ややはなやか | はなやか |
○ | |||||
酸味 | マイルド | ややマイルド | ふつう | やや刺激的 | 刺激的 |
○ | |||||
苦味 | マイルド | ややマイルド | ふつう | ややストロング | ストロング |
○ | |||||
コク | さっぱり | ややさっぱり | ふつう | ややしっかり | しっかり |
○ |
アビシニア
コーヒーを発見した少年・カルディの伝説が残る、エチオピア・アビシニア高原を原産とする品種です。
いまでも試験的なものを除きエチオピアで栽培されており、「モカ・アビシニア」という商品名がつけられていることもあるようです。
主にドライ方式で処理されるアビシニアは、爽やかな酸味と香りでまるでフルーツを思わせるような味わいとされています。
アビシニア | |||||
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特徴 | 果物を思わせる爽やかな酸味と香り | ||||
香り | ひかえめ | ややひかえめ | ふつう | ややはなやか | はなやか |
○ | |||||
酸味 | マイルド | ややマイルド | ふつう | やや刺激的 | 刺激的 |
○ | |||||
苦味 | マイルド | ややマイルド | ふつう | ややストロング | ストロング |
○ | |||||
コク | さっぱり | ややさっぱり | ふつう | ややしっかり | しっかり |
○ |
カッファ
エチオピアの首都、アジスアベバの南西にあるカッファ地方で栽培されている原産品種です。
カッファは「コーヒー」という名称の語源となったのではないかとされている土地で、各地から動物が運んできたいろいろな種類の野生のコーヒーノキが見られる森林地帯となっています。
生産量が少なく日本ではあまり見かけないようですが、その野性味あふれる味わいはエアルーム系コーヒーの愛好家たちを強く魅了しています。
カッファ | |||||
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特徴 | 野性味あふれる風味 |
アガロ
マラウィの研究所で、さび病を始めとする病害への耐性が強い品種として研究されていた品種です。
Sアガロと称されることもあります。
現在もマラウィを始めとする東南アフリカ諸国の、耐病性の高さが要求される地域で栽培されています。
苦味も酸味もあまり強くなく、単体で飲まれることはほとんどないようですが、酸味が主体の豆に対してコクを与える目的でブレンドされることがあります。
アガロ | |||||
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特徴 | 苦味や酸味の強くないブレンド向きの風味 | ||||
香り | ひかえめ | ややひかえめ | ふつう | ややはなやか | はなやか |
○ | |||||
酸味 | マイルド | ややマイルド | ふつう | やや刺激的 | 刺激的 |
○ | |||||
苦味 | マイルド | ややマイルド | ふつう | ややストロング | ストロング |
○ | |||||
コク | さっぱり | ややさっぱり | ふつう | ややしっかり | しっかり |
○ |